音の日

好きな音楽、その他趣味のこと

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『Can't Stop』

今日はRed Hot Chili Peppers『Can't Stop』について。

アルバム「By the Way」収録。

この曲は、アメリカのロックバンドが2002年に発表したラップロックです。


とても多彩なメロディが込められたラップ曲。

入りではジョン・フルシアンテ(Gt.key)の巧みなカッティングがキマり、そこからアンソニー・キーディス(Vo)のラップに流れ、そこから一気にキャッチーなサビメロが始まる。

聴衆を一息に惹き付けるような魔力を秘めた歌メロです。

デビュー当時ファンク成分が強かったレッチリが、メロディック路線に舵を切ったのは途中加入したジョンの要素が大きい。

その中でも本作は、レッチリのメロディメイカー、ジョンの趣向が特に色濃く現れた作品ではないでしょうか。


しかし本作でそれにも劣らない存在感を放つのは、やはりフリー(Ba)のプレイ。

Aメロからとても歯切れの良いスラップ。

世界中のベースキッズ達がコピーしたとされる名演ですが、スラップだとスローテンポでも正確につかむのは難しいリズムで、演奏の基盤をユニークに支えています。

この曲のベースパートでも、特にファンキー&エキサイティングなパート。

かと思えばサビに入るとツーフィンガーでの、メロディ重視の美しいプレイに様変わり。

割と急な変化なのですが、その「つなぎ」の部分がとても滑らかな為、聴き手に違和感を感じさせないように作られています。

そしてサビ後はベースでのアルペジオ

まるでギターでコードを押さえるような指の使い方で、上手い事ベースを歌わせています。

個人的には、ここがフリーのパートのクライマックス。

曲自体がドラマティックな曲ですが、ベース1本でここまでオシャレで、美旋律で深みのあるストーリーを描ける様はまさに「史上、最も才能豊かなベーシストの1人」。(AllMusic)

フリー本人は、「ジミ・ヘンドリックスの音楽が俺を育ててくれたようなもの」と語っています。

しかしその一方で、ベスト・アーティストを訪ねられるとレゲエミュージシャンのボブ・マーリィとジャズ奏者のチャールズ・ミンガスの名を上げたり、「若い頃に出会ったパンク・ロックが自分のベーシストとしてのスタイルを作り上げた」と語ったり、とにかく幅広い界隈のミュージシャンからの影響を受けたプレイヤー。

特定のジャンルにこだわらず、良いものは良いと幅広い音楽を聴き続けて磨かれた彼のセンスが、この小さな宇宙のように高密度のプレイを生み出しているのでしょう。

一曲の中で、メロディが広く枝分かれしたような曲です。

ラップでの、少年のようにピュアな歌メロと、バックの凄絶なプレイの対比の効いた曲を聴いてみてください。



それでは。