ドリーム・シアター『Surrounded』
今日はDream Theater『Surrounded』について。
アルバム「Images & Words」収録。
この曲は、アメリカのプログレッシブメタルバンドDream Theaterが1992年に発表したロックバラードです。
素朴なのに神秘性に溢れた曲。
ポップなのですが平凡では無く、変化的なのですがクドくはない、類稀な調和を保つ作品です。
まず夜が開けるような、ふんわりとしたイントロが始めります。
聴いているとまるで海の向こう、水平線から朝陽が顔を覗かせるイメージが頭に浮かびます。
ジェイムズ・ラブリエ(Vo)の歌声も、超艶やかなウィスパーボイス。
そしてそこから、一気にキャッチーなポップ展開に。
若干ラップ調なところが、彼らの作品としては珍しい。
軽快であっても、どことなく高級感があるのが不思議です。
そしてそこからが本作のメインパート。
ラブリエの突き抜けるようなハイトーンボーカルによる、麗らか過ぎる歌メロ。
Aメロまではどちらかと言うとリズムを重視した流れだったのに対し、ここはメロディ重視に様変わりした印象です。
元々本作が収録されているアルバム「Images & Words」自体、Dream Theaterのアルバムの中でもメロディに重きを置いた作品。
その中でもこの曲は、彼らの代表作「Another Day 」に匹敵するメロディアスさだと個人的に思います。
ちなみに終わり方も粋で、再びイントロと同じしっとりした展開に戻っていきます。
普通こういう、いわゆる「後半に進むにつれてキーが高くなるバラード」は、盛り上がったらその余韻を残したまま終わりを迎えるのが通例ですが、本作はあえてまた静寂に戻る。
Dream Theaterの作品の中では比較的、一般のポップス寄りの曲ですが、それにさえ「ひねり」を加えるところが彼ららしい。
「Dream Theaterっぽくないようで、やはりDream Theaterっぽい」という感覚を楽しめる楽曲ではないでしょうか。
日の昇降のような起伏と壮大さを感じられる曲を聴いてみてください。
それでは。