音の日

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エドガイ『Down to the Devil』

今日はEdguy『Down to the Devil』について。


アルバム「Hellfire Club」収録。

この曲は、ドイツのHR/HMバンドEdguyが2004年に発表したパワーメタルです。

アルバム名の読みは「ヘルファイア・クラブ」。


ビアス・サメット (Vo/Key)の歌うボーカルラインが煌めく曲。

歌メロがどちらかというと日本のメロスピバンドのそれに近く、「泣き」を連発した展開でリスナーの耳と心を掴んでいきます。

ビアス自身の、よりパワフルになった発声がその歌メロを至宝の美しさに映えさせている印象。

元々エドガイ自体、初期の頃はメロディ、演奏ともにジャーマンメタルのお手本のようなクラシカルな佇まいがあったと思うのですが、徐々にそうした優雅な成分は封印。

この辺りでは、すっかり素朴な、王道のハードロックの要素か強くなった感があります。

疾走感も抑えられので初期の頃ほどのインパクトは薄くなったかもしれませんが、そのぶん彼らの武器である美旋律が前面に出るようになりました。

良い意味でパワーメタル初心者にも聴きやすくなったのではないでしょうか。

ライブで演奏される事は少ないのが残念ですが、ハイスピード系のエドガイ代表曲「We Don't Need a Hero」とはタイプの違う魅力を確立する事に成功した曲だと思います。


また、ひっそりと良い仕事をしているのがトビアス・エクセル (Ba)。

イェンス・ルドヴィグ (G)とディルク・ザウアー (G)の押しが強いギターと比べると日陰のプレイですが、綺麗に整った音の粒でしっかりとリズムを支えています。

一般的にバンドにおいてボーカルとギターなどのメロディ担当と、ベースとドラムのリズム担当は、片方が派手なプレイをしたらもう片方がおとなしいプレイをする表裏一体な関係。

本作もボーカルとギターは鮮やかぶんベースはシンプルなプレイをする、というのは自然ではあるのですが、そのシンプルなプレイで抜群の存在感を発揮するところがクールです。

またフェリックス・ボーンケ(ds)のサビメロ直前の最高のタイミングでのドラミングも含め、バックでリズム隊も活躍しているところが光る曲です。

特に奇抜なプレイをしているわけでは無い、オーソドックスな演奏なのにここまで聴かせるリズムは凄い。

メロディで聴かせるようで、実はメンバーのコンビネーション、グルーヴで魅せる曲です。


確かな旋律と、それを完璧に際立たせるリズム隊の壮観なブレンドを楽しんでください。



それでは。