音の日

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B'z『ハピネス』

今日はB'z『ハピネス』を聴いた感想を。


アルバム「SURVIVE」収録。

この曲は、日本のロックユニットB'zが1997年に発表したポップバラードです。


タイトルの通り、ふんわりとした曲。

B'zの大半のバラードはいわゆるロックバラードである事が多いですが、この曲はかなりポップ成分が多めです。

松本孝弘(Gt)によるアコースティックギターでのソロはテクニカルで鋭いですが、それ以外は低反発まくらのように柔らかい印象。

ファルセットによるコーラスには温かな包容力を感じます。


ですが、お優しいだけでは終わらないのがB'z。

「だれもが 時間に追われて こわれて だれかを 愛するひまもない」

常に仕事の事、お金の事など様々な事情に追われて人々が奔走せざるをえない今の時代(といっても約20年前の曲ですが)を風刺するようなフレーズも見られます。


個人的に好きなのはラストのこの歌詞。

「今日も日は暮れ 絶えぬ人の群れ ふらつきながら がんばっているよ」
「楽しい歌だけ 歌いながらね 歩いてゆこう」

「ふらつきながらがんばっている」の部分で、まるで自分の事を歌っているようだ、と思った人も多いのではないでしょうか。

実は作詞者の稲葉浩志(Vo)本人もかなりデリケート。

ライブ前は必ず失敗する悪夢を見てしまったり、ツアー初日の開演前は「早く帰りたい。中止にならないか。」と思ってしまったり。

果ては若手の頃に事務所から、書いた歌詞に何度もダメ出しされ、耐えきれず失踪してしまったりと、相当ネガティブな一面もあるんですよね。

本人が「ふらつきながらがんばってきた」人だからこそ、この人が書く詞は、長時間労働や複雑な経済事情に悩む今の人々に届くものがあるではないでしょうか。

辛さがあるからこそその中でハピネス(幸福)を感じる事もできる、という事を伝えてくれるような曲なのなかもしれません。


ほんわかしたようで、ほのかに塩味も含むバラードを聴いてみてください。



それでは。