音の日

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レッド・ツェッペリン『Black Dog』

Led Zeppelin『Black Dog』について。


アルバム「Led Zeppelin IV」収録。

この曲は、イギリスのロックバンドLed Zeppelinが1971年に発表したハードロックです。

タイトルは直訳すれぱ「黒い犬」ですが、英語圏では「憂鬱」の意味で使われる事が多いもよう。


ノリノリの曲ですが、タイトルの通りどこかダークというか、異様な居ずまいを漂わせる曲。

豪快であっても爽快では無い、というイメージです。

「発見するのに長い時間はかからなかった」
「人間が落ちぶれていくことの意味をね」
「俺は金をつかって、クルマに乗って、彼女がスターになろうとしていることを彼女の友だちに伝えようとした」

歌詞は70年代の典型的なロック詞というか、ちょいワルで退廃的なもの。

ですがロバート・プラント(Vo)の、男らしいながらもどこか品のあるハイトーンボイスで歌われる事により、不思議とおゲレツにはなりすぎないというか、むしろ綺麗なバランス感覚を演出してくれています。

やや下ネタ的な要素がある詞も、歌声次第でここまで印象が変わるのですから、音楽におけるボーカリストの役割の重みを改めて実感できます。

個人的にはギターソロの途中で入る歌声が好きです。


この曲のメインは、やはりその独創的なグルーヴ。

ジミー・ペイジ(Gt)のギター、ジョン・ポール・ジョーンズ(Ba)のベース、ジョン・ボーナム(Ds)のドラムのビートが、微妙にズレています。

それがわざとオシャレにズラしているのか、単にズレているのかはわかりませんが(ライブでは合っている事も多いです)、それに妙な味があります。

変な例えですが、日本のお笑いコンビのダウンタウンの漫才も、本当は一定のテンポで漫才ができる2人が、あえて狙い澄ましてテンポをズラす事により、かえってセリフを印象に残りやすくする、という技法を使う事で玄人達から評価されましたが、それに近いイメージかもしれません。

特にペイジのギターリフのズレかたは絶妙で、聴き込むほどユニークな中毒性を発揮してくれます。

実際ファンの間では
「初めは何が良いのかわからなかったど、いつの間にか頭の中で繰り返すようになっていて、気が付くと好きになっていた。」
というパターンが多いもよう。

「こんな表現法があるんだ」と思わせてくれるロックです。

発表してから約50年経った現在でも、インタビューの場で「この曲は、Black Dogをモチーフに作曲したんです。」と多くのアーティストに言わせるほどのインパクトを持つ曲を聴いてみてください。



それでは。