アクセプト『Bound to Fail』
今日はAccept『Bound to Fail』について。
アルバム「Metal Heart」収録曲。
この曲は、ドイツのHR/HMバンドAcceptが1985年に発表したパワーメタルです。
バーバリズムに溢れているのに、どこか上品なところが魅力的な曲。
ウド・ダークシュナイダー(Vo)の個性が強すぎて野性味が先行しがちですが、フレージングはまさにメタル黎明期の、いわゆる正統派のそれ。
そのクセの強さと優美さのギャップが、この曲の中枢を担っていると思います。
イントロなんて、もはや壮大な舞台の幕開けのBGMのようです。
この曲の真骨頂は後半のコーラスパート。
まるで壁のような、ぶ厚い声の塊。
音程が低めなので、歓声というより声援を連想させます。
クイーンにみられるような高音域を多用したコーラスも優雅で良いですが、こういう迫力とパワーで圧倒するようなコーラスも男らしくてかっこいい。
しかもコーラスというと、他バンドでは基本的にアクセント程度で使用される事が多いのですが、本作では曲のラスト約2分間がずっとコーラスという、冒険心を感じられる内容。
楽曲の約5分の2が「ア~ア~、ア~アアア~」で埋まるという独創性。笑
それでいてちゃんとメロディアスにはなっているのだから、やはりコーラスワークはアクセプトの専売特許ですよね。
コーラスと言えばBuckcherryの「Gluttony」のコーラスもロックファンからは評判が良いですが、そうした後進HR/HMバンド達にも引けを取らないクールな仕様だと思います。
マノウォーもそうですが、ソリッドなリフに重低音コーラスが混ざる、というのは80年代メタルバンドのエッセンスですよね。
シックな骨太感のあるHR/HMです。
正統派だからこその、格式を感じさせてくれる曲を聴いてみてください。
それでは。