アクセプト『Fast as a Shark』
今日はAccept『Fast as a Shark』について。
アルバム「Restless and Wild」収録。
この曲は、ドイツのHR/HMバンドAcceptが1982年に発表したパワーメタルです。
イタリアのゾンビ映画「デモンズ」の挿入歌としても知られています。
ジャーマンメタルの古典とも呼べる曲。
Dan Dragoは「About.com」において本作を「最初に録音されたスピードメタルの曲」と呼称。
さらには「絶対的なメタル・クラシック」とまで称賛しています。
イントロでは何故か牧歌的なドイツ民謡が。笑
短時間だけ非常に「ほのぼの」とした空気になります。
しかしそれは彼らの仕掛けたフェイク。
それが終わるとウド・ダークシュナイダー(Vo)のスクリームが発射。
大音量で聴くと、聴き手の頭蓋骨にキーンと響きそうな程の金切声です。
そこからは北欧HR/HM好きなら誰もがハマりそうな展開。
Acceptの曲としてはかなりハイスパートに疾走。
ステファン・カウフマン(Ds)の刻むリズムの速さは、Accept全作品の中でもトップレベルにスピーディです。
音自体もヘヴィな為、迫力は倍々式に増えます。
タイトルの「鮫」に相応しい切迫感ではないでしょうか。
サビメロは勇壮。
この部分はバラード曲のメロディのように優雅です。
いわゆる「聴いてると合唱したくなる」タイプの歌メロだと思います。
この激しい演奏の中にこういうメロディを入れるというアイディアを3~40年も前に思いついていた、というのは凄まじい。
クライマックスはウルフ・ホフマン(Gt)ハーマン・フランク(Gt)によるソロ。
鮮やかツインギターによるソロで、リスナーを一瞬で恍惚の世界に連れていってくれます。
サビでのコーラスワークの時もそうですが、このバンドは同時に流れる複数のメロディを組み合わせるのが本当に上手いですよね。
つい先程まで豪快で荒々しい演奏をしていたのに、急激にこの美メロに突入する演出も良いです。
よく聴くと、ジャーマンメタル界のカリスマHelloweenに影響を与えたと思われるプレイも。
実際この曲は前述のHelloween、Rageを含む幾多のバンドにカヴァーされていてAcceptが後人のジャーマン、及びスピードメタル界に与えた影響がどれだけ大きいか、ということが実感できる曲だと思います。
デリケートな構成なのに男らしいHR/HMを聴いてみてください。
それでは。