スコーピオンズ『Pictured Life』
今日はScorpions『Pictured Life』について。
アルバム「Virgin Killer(邦題:狂熱の蠍団)」収録。
この曲はのHR/HMバンドScorpionsが1976年に発表した正統派ヘヴィメタルです。
クラウス・マイネ(Vo)のボーカルプレイが鮮やかな曲。
ガラガラした正統派HR/HMらしい発声なのですが絶妙に倍音が効いていて、荒っぽくも品のある歌声です。
特に胸に響くのはハイトーン部分。
瞬間的にグンッと声を張り上げるパートは、文字通り「泣き」の情緒があって、シンプルにまとめられた楽曲の中にドラマ性を与えてくれています。
声質的にもメロディ的にもボーカルに魅力がある曲です。
ただし、その声が引き立つのもやはりバックの演奏陣の活躍があってこそ。
ルドルフ・シェンカー(Gt)の歯切れの良すぎるリズムギターは、本作に重厚感を付与しています。
そしてクラウスのボーカルに張り合うほどメロディアスなのが、ウリ・ジョン・ロート(Gt)の単音パート。
トリル下降のフレーズの美しさはもはや神秘的。
ネオクラシカル的、というとイングヴェイ・マルムスティーンに通じるところがありますが、本作の旋律は少し哀愁を感じます。
かなり日本人のツボを刺激するメロディセンスではないでしょうか。
現代メタルのように解りやすい煌びやかさや派手さは無いのですが、あのUFOやJudas Priestと同時期にデビューしたバンドだけあって、純朴さの中を手探りしていくと宝物のような瑞瑞しいメロディが見つける事ができる、「渋さ」に重点を置いた作品です。
粋なメタルを聴いてみてください。
それでは。