音の日

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シンディ・ローパー『All Through the Night』

今日はCyndi Lauper『All Through the Night』について。


この曲は、アメリカのCyndi Lauperが1984年にリリースしたポップバラードです。


シンディの歌声とキーボードの音の調和が見事な曲。

センチメンタルなボーカルと、バックの眩しい電子音が極上の絡みを演出しています。

えてしてこういうエレクトロな音は、音色や旋律を選び間違えると楽曲の完成度が安っぽいものになりがち。

ですが本作のキーボードは、必要な時は主張しまくりますが、他パートが主役の時は文字どおり鳴りを潜める、緻密な色づかいのもとに成りたっていると思います。

間奏でのファンタジックなキーボード・ソロは、まるで歌詞のカップルの愛を、そのまま音で表したよう。

バラード曲だけあってメインはあくまでシンディ本人の歌声だと思いますが、逆にこれが無くてはこの曲のバランスの重要な部分が抜け落ちた感じがする、とても印象的なソロです。


もちろんシンディのボーカルも至高。

今より若く天真爛漫な歌声が、楽曲に込められた無邪気な愛情をストレートに表現しています。

基本ハイトーンでエネルギッシュなイメージがあるシンディの他の作品と比べるとおとなしい曲調ですが、バック演奏の音がメロディックな本作とはこの位な音程の方がマッチ。

当時の日本の歌謡曲自体が洋楽の影響が濃かったので当たり前かもしれませんが、歌メロが80年代の邦ポップバラードの名曲を連想させてくれる所も良いです。

どちらかが脇役なのではなく、ボーカルもバック演奏(特にキーボード)も両方が主役で、それでいてカラーバランスの取れた稀有な楽曲ではないでしょうか。


メインメロディが2つあるようなバラードを聴いてみてください。





それでは。