メガデス『Hangar 18』
今日はMegadeth『Hangar 18』について。
アルバム「Rust In Peace」収録。
この曲は、アメリカのHR/HMバンドMegadethが1990年に発表したメロディックメタルです。
非常に千差万別なギタープレイが楽しめる曲。
メロディックなパートから、スピードプレイが光るパートまで様々なニーズに応えられる構成は、まるでギターの森のよう。
まずリフの時点で特徴的で、メタル曲としては珍しく低音域があまり使用されていません。
シンプルなんだけどキャッチーで流麗な構造は、アイアン・メイデンの影響を感じます。
HR/HMの中にもややパンクの要素も混ざっているところが印象的。
またニック・メンザ(Ds) の変化的なドラムも良い味を出しています。
弦楽器隊の変幻自在ぶりをリードするような落差の激しいリズムが渋い。
彼の刻むビートがこの楽曲の根底を担っている事が伝わってくるプレイです。
そして極めつけは後半。
デイヴ・ムステイン(Vo.Gt) マーティ・フリードマン(Gt) のギターバトル。
お互い相当な速弾きなのですが、メロディが絢爛でそれが代わる代わる交互に繰り出され続ける様は、もはや1つの別世界。
今までの流れは全てこのソロの為にあったのではないか、と聴き手に思わせる程の音の饗宴が本作のトリを飾り、終わりに向かっていく。
音色自体な圧力、メロディの良さもさることながら、ファンから「頭の良いスラッシュメタル」と称されるように整然とした構成が本作の本質ではないでしょうか。
音だけで演劇が出来る事を示したような作品です。
「ギターでここまで多様な世界を表現できるんだ」と思わせてくれる曲を聴いてみてください。
それでは。