ドリーム・シアター『Take the Time』
今日はDream Theater『Take the Time』について。
アルバム「Images & Words 」収録。
この曲は、アメリカのHR/HMバンドDream Theaterが1992年に発表したプログレッシブメタルです。
人懐っこく、それでいて複雑な曲。
構成的にはメタルのサウンド、ブルースのリフ、ファンクのリズムがナチュラルに融け合ったような印象です。
出だしはラップ風のメロディから始まり、そこから
ジェイムズ・ラブリエ(Vo)が一気にシャウト。
軽やかな旋律から、このド迫力の声への急激な変化が心地よい緊張感を聴き手に与えてくれます。
中間部はこの曲のキモ。
ジョン・ペトルーシ(Gt)のギターと、ケヴィン・ムーア(Key)のキーボード、超テクニカルなユニゾンソロ。
「ヤングギター」のスコアにおいては最高難易度である“ライオンさん”マークを付けられている曲ですが、それはこのユニゾンパートの比重が大きいのではないでしょうか。
この曲自体Dream Theaterファンの間では相当人気の曲ですが、ファンは多くてもおそらくコピーできる人は少ないんだろうな、という事が想像できます。笑
とは言え技巧だけに頼った曲ではありません。
メロディ、特に歌メロはバックの演奏とは反比例するように覚えやすく、親しみやすいもの。
ボーカルパートだけを切り取ればポップスにも聴こえます。
緻密でテクニカルな演奏の中にある、朗らかな親近感のあるメロディ。
プログレッシブロックに「理屈っぽい」「とっつきにくそう」というイメージを持っている人ほど、良い意味のインパクトを感じられる曲ではないでしょうか。
そしてラストは「朗らかさ」から「優しさ」を連想させるような穏やかなボーカルに。
ただ転調を繰り返しまくったり速く弾きまくったりだけでは無く、場面場面で必要な感情をしっかり表現してくれるのが本作の真の魅力。
ファンの人達の「変拍子満載なのに違和感が無い」と言うコメントをこの曲をよく表しているなぁ、と思います。
やんちゃで理知的なメタルを聴いてみてください。
それでは。