ドリーム・シアター『Learning to Live』
今日はDream Theater『Learning to Live』について。
アルバム「Images & Words」収録。
この曲はアメリカのHR/HMバンドDream Theaterが1992年に発表したプログレッシブ・メタルです。
演奏時間11分強の、いわゆる大作曲。
収録アルバムである「Images & Words」の中でも最長のプレイ時間をほこります。
そのプレイ時間の中でもドリーム・シアター名物の変拍子を連発。
その変化の連続ぶりはファンからも「起承転結というより、転転転結」と評される程。笑
リスナーに長い演奏時間でも飽きる事のない、音楽での宇宙旅行を体験させてくれる作品です。
個人的に惹き付けられるのは、ジョン・マイアング(Ba)のベースプレイ。
単純に使用されているテクニックでは、ジョンがこの曲より複雑な技巧を使っている曲はあるのですが、メロディラインが美しく、良い意味でリズム隊らしくない美旋律で楽曲の土台を支えています。
この辺りはプログレ的強さですよね。
特にラスト付近のベースソロパートは壮観。
1音1音からメッセージのようなものを感じる程にリリカルな粒だちで、直後のラストパートを最大限まで盛り上げる前フリを演出。
ジョン・ペトルーシ(Gt)、ケヴィン・ムーア(Key) のプレイも華があって魅力的ですが、それに負けない位にこの曲では、ベースがヒーローポジションだと思います。
もちろんそれにピッタリと合わせるマイク・ポートノイ(Ds)のリズムマシーン並のテンポキープ力も見事。
精密でメロディックなリズムが光っています。
ちなみに作詞担当もジョン・マイアング。
ドリーム・シアターの楽曲の大半の作詞はペトルーシかムーアが担当しているイメージですが、本作では彼が担当。
「昔は僕は愛を求めた」
「今は“生”を求めている」
ペトルーシ、ムーアの綴る詞も理知的で高い思考力を感じさせますが、マイアングの綴る詞はそれとは少し質が違う、彼なりの人生への哲学が描かれたもの。
タイトルの『Learning to Live』(僕は生き方を学んでいる)通り、劇的な楽曲に相応しい、深みを感じさせる内容ではないでしょうか。
声色の変化が得意なジェイムズ・ラブリエ(Vo)がこれを歌う事で、豊潤なストーリー性を演出。
テクニックだけじゃなく血の通った、少し悲痛で、強い温かさを感じるプログレ作品だと思います。
ロジカルなのに、人間味に溢れた曲を聴いてみてください。
それでは。