音の日

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ヴェルヴェット・リヴォルヴァー『Sucker Train Blues』

今日はVelvet Revolver『Sucker Train Blues』について。


アルバム「Contraband」収録。

この曲は、アメリカのHR/HMバンドVelvet Revolverが2004年に発表したポスト・グランジです。


ギュルギュルとしたスラッシュ(Gt)のギターソロが光る曲。

言わずと知れたガンズ・アンド・ローゼズのギタリスト。

彼特有のうねるように緩急のついたプレイは健在です。

ただ心なしか、うねり方がハードロックというよりグランジよりのうねうね感を持ち、「あくまでガンズとは別の世界を表現したい」という気迫を感じます。

元来の彼とは違うプレイをしていても、その音色の太さは健在。

あらゆるジャンルでかっこよさを維持し続ける、スラッシュの多才ぶりを実感できるプレイです。


そしてまた凄いのがスコット・ウェイランド(Vo)の歌声。

スラッシュ(Gt)、デイヴ・クシュナー(Gt)の放つ雷鳴のように重いギターに負けていないパワーを持っています。

歌い方にかなり濃い味のクセがあり、リスナーによっては好き嫌いはっきり分かれる声かも知れませんが、個人的にこの歪み方は好みです。

その声質は例えるならこの曲のもつ不良っぽさとフィットしたワルガキ系。

実際、学生の頃は酒を盗んで飲んだり、その後は薬物問題など破天荒なエピソードには事欠かないシンガーではありますが、その彼の型破りな雰囲気がくっきりと表れたような歌声です。

このバンドの前に在籍していたストーン・テンプル・パイロッツでは、私生活であまりにも多くのトラブルを連発。

他メンバーに迷惑をかけ続けた為、同じ屋根の下で暮らしているメンバー達から仲間外れ同然の扱いを受けるなど、少し切ない目にもあっているのですが、そんな諸々の人生経験がこのアンニュイながら尖った声を生み出したのかもしれません。笑

まぁスラッシュの方もショップで好みのシルクハットを盗んで、しかもそれを平然とライブで着用したり、母親が作ってくれたステージ衣装を薬物の売人に差し出してドラッグと交換したりと、スコットとはある意味同じ穴のムジナ。

そんなメンバーでの演奏ですから、凶暴なサウンドが生まれないわけないんですよね。笑

イントロでのサイレン音の導入など、自由でやんちゃなバッドボーイ感が本作のテイストです。


LAロックのサウンドグランジ的な退廃感の対比を楽しめる曲を聴いてみてください。



それでは。