音の日

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鈴木このみ『This game』

今日は鈴木このみ『This game』を聴いた感想を。


この曲は日本の女性歌手、鈴木このみが2014年にリリースしたポップロックです。

松岡禎丞茅野愛衣日笠陽子が声優として出演している事でも知られるアニメ「ノーゲームノーライフ」のOPテーマとしても有名。


一見力押しなようで、とても作り込まれた曲。

裏メロの緻密さ精密さは職人芸の領域です。

また歌メロの方もかなり難解。

鈴木このみがあまりにも自然に歌いこなしているので聴き手側からすれば気付きにくそうですが、アクセントの数が半端ではない上に、急な早口パートなど、歌う側からすればかなり神経を消費するであろう構造になっています。

それをさらりと歌いこなしているのは鈴木このみ自身の、全日本アニソングランプリ決勝大会でグランプリを受賞したほどの歌唱力によるもの。

実は幼い頃の彼女は、自身の人見知りの激しさに悩んでいたらしく、その克服の為にあえて人前に立つ要素のある歌とダンスを学び、ミュージカルにまで出演していたとの事。

その後有名アニメ「マクロスF」と出会いアニソンシンガーを志したそうですが、幼い頃から指導者の元で学んだ、いわゆる本格派なわけですね。

実際音圧のあるバッキングの音のなかでも、くっきり声が前に出ていて、力強い声量と滑舌の良さで楽曲のパワーを表現。

カップリングでは、後ろから這いより隊Gの「太陽曰く燃えよカオス」をメタルアレンジしてカバーした作品が収録されていますが、それにゲスト参加していたイタリアのメロデスバンド「Disarmonia Mundi」のメンバーEttore RigottiとClaudio Ravinaleの大音量演奏と張り合う、非常にパワフルな歌唱を聴かせてくれています。

作品、歌い手ともに粒が揃ったアーティスティックな楽曲ではないでしょうか。


ちなみにロック調の曲ですが、ピアノも上品ながら情熱的に存在感を発揮してしています。

激しいバンドサウンド調の中でも綺麗に自己主張しているので、その対比も楽しんでみてください。



それでは。