音の日

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Whiteberry 『夏祭り』

今日はWhiteberry 『夏祭り』について。


この曲は、日本のロックバンドWhiteberry が2000年にリリースしたポップロックです。

伊藤雄城、林一樹、熊谷真実が出演した事でも有名なドラマ「ふしぎな話」の主題歌。

またアニメ「ReLIFE」のEDテーマとしても知られています。


元々「JITTERIN'JINN」オリジナルのカバー曲ですが、アレンジが良すぎて売り上げが本家を越えて、最終的にはWhiteberry自身最大のセールスを記録した曲。

今では日本ガールズバンドのサマーソングの代表格ですよね。
(確かZONEの「secret base 〜君がくれたもの〜」は「夏の“終わり”」)


タイトル通りのやんちゃな曲調が魅力的。

イントロはボーカルとピアノだけで静穏にスタートしますが、そこからドカンッとバンド演奏が始まります。

ファンの間では「それこそ夏祭りの花火のよう」と形容される事も。

そういう表現技法的なところも聴きどころですが、この曲で印象深いのは、前田由紀(Vo)の歌声。

まだ当時中学生(14歳)という事もあって、声に少女らしさが残り、これでもかと言うほど『夏祭り』感を的確に表現しています。

歌唱力も年齢の割には高いと思うのですが、それ以上に楽曲と合っているのは声質。

多分どんなに歌が上手い歌手でも、このバージョンの『夏祭り』で彼女の代わりは務まらない、と思わせてくれる、青春時代のお祭りをストレートに連想させてくれる歌声ではないでしょうか。

「無邪気な横顔がとても可愛いくて 君は好きな綿菓子買って ご機嫌だけど」

「少し向こうに 友だち見つけて 離れて歩いた」

素朴で可愛らしいんだけど、どこか影が残る歌詞も味があります。

一見愛嬌がある歌詞ですが、「空に消えてった 打ち合あげ花火」と比喩されているように、

「花火のように輝かしいけれど、過去の、長くは続かなかった幸福」

という、実は少しを甘酸っぱい寂しさを孕んだような想いをテーマにした歌なんですよね。

それをふまえた上でこの明るい曲調、ピュアな歌声を聴くと、この曲の聴こえ方が変わってきます。

きっと本質的には寂しさを抑えながら「それでも良い思い出だった」と語っているような、切なく優しい歌なのではないでしょうか。

この曲が年代を問わず人気なのは、若い人が聴けばリアルタイムの共鳴が、中高年が聴けば「自分にもこんな時代があったなぁ」と忘れかけていた大事な感覚を思い出させてくれるからかもしれませんね。

「花火のように一瞬だけど、どれだけ年を重ねても思い出してしまう綺麗な思い出」の尊さを再認識させてくれる曲だと思います。


ちなみに1番有名なのは本作にしても

さくらまやがカバーアルバム「まや☆カラ カラオケクイーンさくらまやと歌おう!!」で、

May J.バーアルバム「Summer Ballad Covers」でカバーしていたり、と数多くのバージョンがある曲でもあります。

皆、独自の解釈で『夏祭り』の世界を表現しているので、自分と合った『夏祭り』を探してみるの面白いのではないでしょうか。



それでは。