音の日

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アンダーグラフ『ツバサ』

今日はアンダーグラフ『ツバサ』を聴いた感想を。


この曲は日本のロックバンド、アンダーグラフが2004年にリリースしたポップロックです。


作詞・曲ともに真戸原直人(Vo.Gt)。

キャッチコピーは「人はツバサを持つと自由になれるのですか?」。


彼ら自身の記念すべきメジャーデビュー作。

楽曲が良い事はもちろん、新人バンドでありながらPVに当時「世界の中心で愛を叫ぶ」に出演した事でセンセーショナルを巻き起こしていた長澤まさみを起用した事でも話題になりました。

今でこそ世間では「ヒット作」として認知されている曲ですが、発売直後の売り上げ枚数は、意外にもアンダーグラフ全楽曲の中でも最低。

そこからラジオや有線放送で流された事で人気に火がつき、有線の問い合わせチャート14週連続1位に。

最終的には20週目でオリコンTop10以内に食い込み
、彼らの「最高」売り上げにまで達しました。

最低の位置から最高の高さまで飛んでいく、というところがまた『ツバサ』という感じがしますよね。


曲の流れは、まず独特なリズムのギターリフから入り、そこからJ-POPの王道のコード進行で展開していきます。

後半では大サビの前に、めちゃくちゃ間をとるという演出も。

ここで「あぁ曲が終わったんだ」とプレイヤーのスイッチを切ってしまったリスナーも多いかもしれません。笑

コード進行がオーソドックスでも、不思議と独特な雰囲気を奏でているのは、ボーカルの真戸原直人の歌い方ではないでしょうか。

ハスキーで、どことなくアンニュイな歌声。

声質はやや違いますが、個人的にはレミオロメン藤巻亮太の歌い方に似ている気がします。

あまり力んでいない感じの発声ですが、それでも歌詞をはっきりと聴きとる事ができるのは、歌う時の口のフォームが綺麗だからなんでしょうね。

ちなみに彼のファンの間では「Mr.Childrenの桜井さんの歌声に似ている」という声も多いようです。


印象的なのは歌詞。

「旅立つ空に出会いと別れ 青春の日々全てを描き」
「いつか互いに大きな花を 綺麗な花を咲かすと決めた」

「いつか互いに大きな花を」と言っているので、その恋人も何か目標を持ってるんですよね。

日本のポップスの曲には「地元に恋人(もしくは友達)をおいて、夢の為にひとり上京する」みたいな歌詞は多いと思いますが、こうして「恋人と共に夢を追う」歌詞は、ありそうで少ない気がします。

曲の方もそうですが、「王道をいくようでどこかに個性がある」のが本作の魅力。

売れるまで時間がかかったのも、一見普通の曲調の中にも、隠し味的な要素があることにリスナーが少しずつ気づいていったからかもしれません。

いわゆる「スルメソング」の1つだと思います。


中性的なメロディと力強い決意表明の詞のコントラストを感じてみてください。



それでは。