サスケ『青いベンチ』
今日はサスケ『青いベンチ』を聴いた感想を。
この曲は、日本の男性デュオサスケが2004年にリリースしたポップバラードです。
ピュアでありながら、少し黄昏の香りが漂う曲。
2011年に手越祐也、増田貴久によるボーカルデュオ「テゴマス」よってカバーされたことでも話題になりました。
サスケはこの曲で成功する以前は、往来で弾き語り活動をするいわゆる「ストリートミュージシャン」。
当時の日本はHip Hopが本格的に台頭してきていた時期で、その手の路上ミュージシャンは隅に追いやられていたような時代です。
しかし彼らはそんな空気をものともせず、路上から本作によってどんどんと人気、知名度を獲得し、2005年にはインディーズ年間ランキング1位にまで登りつめました。
パッと出してパッと売れた曲では無く、いわゆる「叩き上げ」的なエピソードを持つ楽曲です。
曲調はアコースティックギター主体のポップス。
割りとアップテンポで軽やかなリズムですが、明るくは無いのが特徴的。
「青春」の楽しい部分では無く、あえてほろ苦い部分を表現したようなメロディです。
ふんわり響く北清水雄太のハーモニカが優しく切ない。
歌詞は、後悔が綴られたもの。
「この声が枯れるくらいに 君に好きと言えばよかった」
額縁通りに読めば恋愛の詞。
しかし実際は、「どうして自分はやって後悔するのでは無く、やらずに後悔してしまうのだろう」と悩みを持つ人全員に響く詞だと思います。
究極的には恋をしていない人が聴いても良い、というか。
多くの人はやりたい事があっても、不安や恐怖に阻まれて悶々とした日々を過ごしていて、「どうせ苦しいなら、思い切って踏み出せば良かった」と感じながら過ごしているんですよね。
サスケのファンが『青いベンチ』の詞を評価する理由は、この曲を聴くと、数多くの人が持つ普遍的な悩みを自分の代わりに代弁してくれた気持ちになれるからかも知れません。
「ハッピーエンド」では無いのに人の心を癒してくれる歌を聴いてみてください。
それでは。