音の日

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エアロスミス『Jaded』

今日はAerosmith『Jaded』について。


アルバム「JUST PUSH PLAY」収録。

この曲はアメリカのHR/HMバンドAerosmithが2001年に発表したロックチューンです。


とても素朴なロック。

従来のエアロの曲と比較すると、超ポップより。

なのですがAメロまで穏やかでもサビで一気に力強くなる為、通して聴くとハードロックに聴こえる、という非常に緩急を生かした構造の曲になっています。

こういう曲の始まりはおとなしくても、サビで爆発する、みたいな曲調の作品は他バンドにもあるのですが、本作はメロディがまるで春の日差しのように温かい。

スティーヴン・タイラー(Vo) の叫び声も、激しさの中にもどことなく優しさがこもっている感じがします。

重い音なのに不思議と暗くはない、エアロ節満載な構成です。


さりげに良いのが、Aメロが終わるといきなり演奏が止まって、そこから一気にサビにいく流れ。

基本ロック曲のサビは、A~Bメロからだんだんとビートが強くなっていく「煽り」的な流れから入る事も多いのですが、逆にこうしてそういう前フリなしで突然サビにいく曲もあるんですよね。

始めはポップスと思わせておいて、いきなりハードロックにいく時のインパクトは、初見のリスナーは一撃でハートを捕まれるのではないでしょうか。


また面白いのは、本作がメンバーが50歳を越えてから発表された作品だという事。

一般的にアーティストは、ある年齢を越えると型にハマるというか、そのアーティストなりの1つのパターンの中で作曲を繰り返す印象があります。

だけどエアロのように半世紀生きて、まだ新たな境地に足を踏み入れるバンドマンは、ロック界の中でも貴重。

もちろん軸がブレないというか、デビューから引退まで同じジャンルを貫くバンドのかっこよさもあると思いますが、彼らのように常に冒険して、まだリスナーにまっさらな刺激を与えてくれるバンドも音楽界には絶対必要なんですよね。

長く活動しているからこそ、必要な音と不必要な音を区分けして、こういうコンパクトなのに破壊力を持つ曲を作る事ができる。

ロック界の生きる伝説ならではの作品ではの作品です。

派手なプレイをしなくても圧倒的な瞬発力と深みを持つ、職人芸のようなロックを聴いてみてください。



それでは。