音の日

好きな音楽、その他趣味のこと

Mr.Children『Tomorrow never Knows』

今日はMr.ChildrenTomorrow never knows』について。


この曲は、日本のバンドMr.Childrenが『Tomorrow never knows』が1994年にリリースしたポップバラードです。

2ミリオン達成曲。

また、萩原聖人木村拓哉武田真治が出演したことでも知られるドラマ「若者のすべて」の主題歌としても有名です。


作詞・曲ともに桜井和寿(Vo)。

タイトルの意味は「誰の知ることのない明日へ」。

250万枚以上売り上げた、Mr.Children最大のヒット曲。

日本の歴代のCDシングルでもトップ10に入るほど大ヒットとなった作品です。

リリース前の段階でMr.Childrenのレコード会社の社長は、この曲が売れる事を予期していたらしく、金になりそうだということで「金のしゃちほこ」という仮タイトルを与えられていたという逸話も。笑

日本人ならおそらく大半が知っている為、J-POPの古典的作品と言える偉大な作品だと思いますが、実は生みのエピソードは意外とあっさりとしたもの。

作曲の段階で桜井和寿が思いついたAメロと、小林武史の考えたコード進行が偶然にも一致し、その流れでなんと30分ほどで曲のほとんどを作り上げたとの事。

伝説的画家、岡本太郎の言葉に
「苦しんで作った作品よりも、自然に出来上がっていく作品の方が、いつだっていい」
という言葉がありますが、優れた芸術作品の生まれる経緯というのは案外シンプルなものなのかもしれませんね。


曲調的には、バラードとしてはややアップテンポのポップス。

清らかなピアノのイントロから始まり少し切なげなAメロに。

しかしBメロに入ると段々と晴れやかなコード進行に変わっていき、そこで情熱的なサビが展開されていきます。

桜井和寿の歌い方も冷静な発声から、途端に激しい歌声に。

一曲の中でまるで違う歌い方をしているのに、それでいて聴き手に違和感を感じさせないところが彼の才能ですよね。


この曲で好きなのは詞。

「誰かの為に生きてみても oh oh Tomorrow never knows
「心のまま僕はゆくのさ 誰も知ることのない明日へ」


「未来で良い事あるから行こう」では無く、「先の事は結局誰も解らないんだから、感じるままに素直に進もう」
という、軽快でありながら上品なメッセージが込められています。

ネガティブに読めば「諦め」とも取れますが、ほとんの人にとって自分の将来を完璧に予測する、というのは不可能。

それならあえて「なんとなく」行きたい所に行ってみるのも良いじゃないか、とそっと背中を押してくれる詞の気がします。

なんでも頭だけで考えすぎ、悩んでしまう人にこそ響く歌ではないでしょうか。



心をふっと軽くしてくれる曲を聴いてみてください。



それでは。






L'Arc~en~Ciel『侵食~lose control ~』

今日はL'Arc~en~Ciel『侵食~lose control~』を聴いた感想を。


この曲は、日本のロックバンドL'Arc~en~Cielが1998年にリリースしたロックチューンです。

マシュー・ブロデリックジャン・レノ、マリア・ピティロが出演した事でも知られる映画「GODZILLA」(ゴジラ)の挿入歌としても知られています。


狂気をテーマにした楽曲。

「I died then my instinct was born」 (僕が死んで 僕の本能が生まれた)


作詞者はhyde(Vo)ですが、hyde自身はインタビューでこの詞について

「初めに映画のサントラっていう前提が あったんで、まずゴジラとはどんな存在なんだろうっていうのを自分なりに解釈してみたんですよ。」

「それで社会的な状況によって理性が失われて、本能のみで暴走してしまうような感覚っていうのかな。そういうのを描いたんですけど。」

と語っています。

テーマが「狂気」だとしても荒々しい表現は使わず、「春めく季節」や「ひらひら浮かぶ蝶々」など美しい言葉を選んでいるところにhydeの繊細なセンスを感じます。


曲はとても妖艷で、なおかつ複雑。

始めはダークで静かなアルペジオから始まりますが、そこから一転。

変拍子を多用した激しいロックパートに突入します。

その変拍子の中にも、一般的なプログレッシブロックではあまり見られない、7/4拍子(普通は6/8拍子など)というリズムが。

作曲者はken(Gt)ですが、tetsuya(Ba)の曲がたとえばメロディアス路線の作曲者だとしたら、こういうこだわり派な良い意味のコア路線の作曲はkenの土俵ですよね。

J-Rockにマリリン・マンソンの音楽の要素を組み込んだようなイメージです。

L'Arc~en~Cielが凄いのは、そのコアな曲調でもしっかりとヒットさせた事。

実はリリース前までは、メンバー自身もセールス面での自信は無かったらしく、作曲者のkenさえ「こんな(ダークな)のがチャートにはいるわけがない」と思っていたそう。

しかしいざリリースしたら、オリコン週間シングルチャートでは、51万枚以上を売り上げ初登場3位を獲得。(しかも翌週は2位)

オリコン3位の初動としては歴代最高記録を樹立しました。

音楽業界の常識ではあり得ない事のようで、プロデューサーの岡野ハジメも後に「こういった変拍子の曲は、プロデューサーの立場で見ても、客観的に見ても、普通は売れない」と語っています。

その変拍子の曲で日本レコード協会からダブル・プラチナまで授与されたL'Arc~en~Cielは、邦楽界の歴史に一石を投じた、と言えるのかもしれませんね。

独特なのに売れた、という珍しい例の楽曲です。


音楽的にも記録的にも異色な曲を聴いてみてください。



それでは。





ヨーロッパ『The Final Countdown』

今日はEurope『The Final Countdown』について。


アルバム「The Final Countdown」収録。

この曲は、スウェーデンHR/HMバンドEuropeが1986年に発表したハードロックです。


作詞・曲ともにジョーイ・テンペスト(Vo)。

日本ではスズキ・カルタスのCMソングとしても知られています。

格闘技大会の入場曲に使われる事も多い為、タイトルを知らない人でも聴けば「あぁ、あれか!」となるのではないでしょうか。


歌詞は、金星へ旅立つ宇宙飛行士の心境を描いたもの。

「まず、金星へと向かい ただ、強い心で成し遂げる 全ての眼差しと、声援に応えるため」 

「何光年もの果てに向かい、それを見つけ出す
淋しさは、胸に仕舞い込んで」

「さぁ、最後のカウント・ダウンだ…」

ジョーイによれば、1969年のアポロ月面着陸と関連したヴィッド・ボウイの「Space Oddity」をヒントにしたそう。

壮大な曲に合う歌詞にする為に何度も何度も書き直したそうですが、宇宙に向かったという偉業自体ではなく、宇宙に向かう際の宇宙飛行士の「心境」の方を描いている所に趣きを感じますよね。


曲は、ハードロックながらも適度にポップスの要素を含んだもの。

ジョーイの歌唱法もあまり硬質過ぎず、おそらく普段HR/HMを聴かない人にとっても聴き心地が良い歌声になっています。

一般的にHR/HM畑のボーカルといえば荒っぽいシャウト声で歌うイメージがあると思いますが、ジョーイの歌声はどちらかというとナチュラル。

それでいてHR/HMファンからも支持されているのが凄いでよね。

しかも若い時はまるで昔話の世界から飛び出してきたような、いわゆる「王子様系」のイケメンだったわけですから、もはや無敵です。笑

ジョン・ノーラム(Gt)のソロもテクニカル。

クラシックに出てきそうな、緻密ながらもメロディックな旋律です。

「ヨーロッパ」の激しくも品のある方向性を表しているかのよう。

ソロ前にドラムが勢いをつけてくれているところがミソ。


この楽曲の聴きどころは、何と言ってもこの印象的なミック・ミカエリ(Key)によるキーボード・リフ。

ホーン・セクションの要素をロックに取り込んだようですが、そのインパクトと知名度は、かのヴァン・ヘイレンの「JUMP」と並び称される程です。

世間の人がメディアや街中でこの曲を耳にするのも、ほとんどの場合はこのキーボードのサウンドではないでしょうか。

元々ジョーイがこのリフを思いついた事でこの曲が生まれたそうですが、当初ジョン・ノーラムはこのフレーズを『The Final Countdown』に導入する事に、なんと大反対。

「No, this is nuts.(こんなの、クソだ)」とまで言われたそう。

しかしジョーイの方も譲らず粘り続け、最終的には導入する事に。

そうして完成した本作は、1stシングルとして世界25カ国でNo.1を記録(Billboard Hot 100では8位)し780万枚をセールス。

彼らの代名詞的作品とまで呼ばれるようになりました。

ただしジョン・ノーラムの方は気が収まらず、アルバム発売後、間もなくバンドを脱退してしまいます。

色んな意味でEuropeの分岐点の呼べる作品ではないでしょうか。

まぁジョンは2003年には復帰しているので、今となってはそれもひとつの思い出話かもしれませんが。笑


一聴しただけでも記憶に焼き付くメロディの曲を聴いてみてください。



それでは。






コブクロ『蕾』

今日はコブクロ『蕾』について。


この曲は日本の音楽デュオ、コブクロが2007年にリリースしたポップバラードです。

速水もこみち香椎由宇星野源が出演した事でも知られるドラマ「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」の主題歌としても知られています。

作詞・曲ともに小渕健太郎(Vo.Gt)。

日本レコード協会から着うたフル部門でミリオン、シングルトラック部門で2ミリオンを授与。

さらには第49回日本レコード大賞・大賞まで受賞するなど、素人玄人問わず多くの人から愛されている曲。


曲調は良い意味で古典的なポップバラードです。

始めは小渕健太郎の囁き声から入り、サビでは黒田俊介 (Vo)と共に雄大なハーモニーが楽曲の雰囲気を盛り上げてくれます。

一見よくある構成ですが、一拍ごとにコード進行が変えられていたりと細やかな工夫も。

HEY!HEY!HEY!ではダウンタウン浜田雅功松本人志と、まるで芸人のようなやり取りをしていた彼ら。笑

しかし楽曲ではこういうこだわりを見せてくれるところにアーティストとしての風格を感じさせてくれますよね。


歌詞は寂しさと、大きな温もりが込められたもの。

「柔らかな日だまりが包む 背中に ポツリ 話しかけながら」
「いつかこんな日が来る事も きっと きっと きっと わかってたはずなのに」

ファンの間では、「作曲者の小渕健太郎が亡き母に捧げた作品」と認知されている詞。

小渕自身は本作でレコード大賞を受賞した時、「(母と)一緒に歌っていた気持ちがすごく強かった」とコメントしています。

テレビ出演時、いつも明るい笑顔で振る舞っている彼の言葉だからこそ、その哀しげな詞は聴きて手の心に突き刺さるのではないでしょうか。

けれど決して哀しいどまりの詞ではなく、

「今もまだ 掴めない あなたと描いた夢」
「立ち止まる 僕のそばで 優しく開く 笑顔のような 蕾を探してる 空に」

大切な人と共に描いた理想を追い続ける事の大事さが綴られています。

コブクロが多くの人から支持される理由は、ただ闇雲に前向きなメッセージを出すのではなく、苦しさ、辛さと向き合いながら歩んでいく彼らの曲だからこそ、同じく辛さと共に生きている人達の心に響くからかも知れませんね。


芯の強い愛が込められた歌声を聴いてみてください。



それでは。





Speed『White Love』

Speed『White Love』を聴いた感想を。


この曲は、日本の女性アイドルグループSpeedが1997年にリリースしたポップバラードです。

資生堂ティセラ エンジェルドロップ」のCMソング。

また、2ミリオンを達成し、第39回日本レコード大賞優秀作品賞受賞した曲としても知られています。


タイトルに「ホワイト」とあるように、白い雪のように綺麗で純粋な曲。

作詞・作曲に渡辺美里森高千里と共演経験がある事でも有名な伊秩弘将を迎えた事でも話題になりました。


この曲は、やはりハモり部分が聴きどころ。

元々彼女達は全員歌えるアーティストであったのにも関わらず、意外と本格的なコーラス&ハモりは本作が初めてなんですよね。

全員が可愛らしい外見の為か、どうしても世間の一部からは「見た目で売れたグループ」という偏見の目を向けられがちだったSpeed。

けれどこの見事なボーカルワークで、そうした謗りを完全に吹き飛ばす事ができたのではないでしょうか。

中盤で入るアコースティックギターの音色も繊細なようで印象的です。

一見しっとり系のバラードですが、実はさりげにベースが活躍している曲なんですよね。

ポップスなので音量は控えめですが、イヤホンのまま音量を上げて聴くと意外とアグレッシブに音が動き回っている事に気付きます。

Speedはこの曲があまりにも有名なので、世の中には「バラード主体のグループ」という誤解が一部ではありますが、実際は本格的なバラードは本作が初めて。

それまではほぼ全てがノリノリなダンスミュージック系。

完全に新しい路線に進むのではなく、僅かに今までのダンスミュージック路線の成分を残す事で「Speedとしてのバラード」感を出す事に成功していると思います。


完成度、歌唱、方向性どれをとっても従来のファン層も新規のファン層も満足させる高いバランス感覚を持った曲ではないでしょうか。


累計売上枚数200万枚。
「SPEED最大のヒット曲」の名に相応しいバラードです。

ちなみに

JUJUがカバーアルバム『Request』、

BABYMETAL -がライブ・ビデオ『LIVE 〜LEGEND I、D、Z APOCALYPSE〜』

でこの曲をカバーしていますが、そちらもオススメです。



それでは。






チルドレン・オブ・ボドム『Hate Crew Deathroll』

今日はChildren of Bodom『Hate Crew Deathroll』について。


アルバム「Hate Crew Deathroll」収録。

この曲は、フィンランドデスメタルバンドChildren of Bodomが2003年に発表したメロディックデスメタルです。


まるでモンタージュのように様々な要素が組み込まれた曲。

初めはヤンネ・ウィルマン(Key)による、無機質というか感情が読み取れない旋律のイントロから入ります。

しかしそこから一転。

スラッシュメタル感全開の疾走パートに突入します。

こういう緩急の表現は、どちらかというとネオクラシカルメタル系のバンドに近い技法ですよね。

そこからのリフがかっこいい。

アレクザンダー・クオファラ (Gt)のクールなリズムギターが炸裂します。

動き自体はシンプルなのですが音数が多い為か、体感速度が凄い。

ストレートなリフを、衝撃度重視で演奏する様はパンクの要素を感じます。


極めつけはアレキシ・ライホ(Vo.Gt)によるサビ。

声色はデス声なのに、メロディアスなまでにキャッチー。

そこに男らしいコーラスが加わる展開は芸術的です。

前述の迫力のあるリフから急にこの美しいサビに入る流れが最高。

ギターソロ部分での激しいプレイにキーボードの繊細なメロディを絡めてくる場面は絶品です。


シンフォニックメタルバンドのようなメロディ、デスメタルの疾走、 Children of Bodomらしい独創性を兼ね備えたメタルを聴いてみてください。



それでは。





鬼束ちひろ『月光』

今日は鬼束ちひろ『月光』を聴いた感想を。


この曲は、日本の女性シンガー・ソングライター鬼束ちひろが2000年にリリースしたポップバラードです。

第33回全日本有線放送大賞新人賞受賞曲。

仲間由紀恵阿部寛生瀬勝久が出演した事でも知られるドラマ「トリック」の主題歌としても有名です。

累計売上は50万枚以上で、シングル作品としては彼女の自己最高を記録した曲。

徳永英明がカバーアルバム『VOCALIST 4』で、

SoulJaがアルバム『Letters』で本作をカバーした事でも話題になりました。


曲はピアノとストリングス主体でもの静か。
まるで途方にくれるように儚げな雰囲気をかもし出しています。

しかしただ静かな曲では無く後半では転調を交え、楽曲に込められた感情をよりストレートに吐き出すような表現に。

歌声も楽器の音色もデリケートなのに、不思議と爆発力があるのが特徴的です。

ちなみに使用楽器がピアノとストリングスである理由は、アレンジ担当の羽毛田丈史いわく

「ピアノだけでは強烈な歌詞には脆弱で、バンドでは楽曲の持つ美しさや儚さが損なわれる恐れがあるため、ピアノとストリングスカルテットを採用した」

とのこと。

結果的にはその狙いは大成功だったと思います。


歌詞のテーマは「抑圧からの解放」。

「I can't hang out this world(この世界を掲げる事など出来ない)」

「How do I live on such a field?(こんな場所でどうやって生きろと言うの?)」

世の中に対する不信感で満ち溢れています。

結局、詞の最後まで特に前向きな内容に変わっていく事もなく、終わりでまで

「こんな思いじゃ どこにも居場所なんて無い」

と叫んで幕を閉じます。

凄いのはこの曲のリリース時、鬼束ちひろはまだ19歳という事。

その若さでなぜこんなに人々に背を向けるような想いに至ったのかは解りませんが、この悲観的というかな詞でメジャーシーンでヒットしたのは、ある種の偉業。

逆に言えば、それだけ多くの人が自分の立ち位置に不安を感じている、という事なのかも知れませんね。

アタマから終わりまでほとんど絶望だけを呟く、というのは、有名曲としては珍しいパターンだと思います。


日常の中で思わず息苦しさや閉塞感を感じた時に聴きたくなる曲ではないでしょうか。



それでは。