音の日

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エヴァネッセンス『Bring Me to Life』

今日はEvanescence『Bring Me to Life』について。


アルバム「Fallen」収録。

この曲はアメリカのHR/HMバンドEvanescenceが2003年に発表したオルタナティブ・メタルです。


極上のメロディックオルタナ曲。

随所に美しいストリングスが流れ、オルナタの中でもかなりゴシックに近いムードの曲なのですが、サウンドがとにかくへヴィ。

ベン・ムーディー(Gt)のギターをはじめ、バックのサウンドがかなりクッキリとしていて、ゴシックの儚さとHR/HMのパンチ力を併せ持った、隙の無い楽曲になっています。


そして、その重い演奏に負けないエイミー・リー(Vo.Pi)の歌声の圧力も凄い。

エイミーといえば後に、日本の「和楽器バンド」とコラボした事でも話題になりました。

その際に、スタジオでエイミーが何気なく適当に歌った鼻歌の時点で巧すぎて、ギターの町屋を驚かせた、というエピソードもありますが、女性メタルシンガーの中では世界的に見ても上位の歌唱力の持ち主としても有名。

学生時代にも合唱隊に所属していて、そこでもリーダーを努めていた経緯があったりと、歌唱を基礎からビッチリ磨きあげた秀才タイプの歌い手の模様。

そう聞くと確かに歌い方にどことなくクワイアっぽい壮大さを感じますよね。

その学生時代にも美術を学び、昼食の時間も1人で作品作りに没頭していて、親しい友人は1人か2人ぐらいしかいなかった程の、生粋の芸術好きの彼女。

この『Bring Me to Life』における彼女の歌唱は、その「表現」に対する情熱を感じられる歌声だと思います。


そのエイミーの歌唱の合間に、ところどころ入る男性コーラスのラップには賛否両論あるようですが、個人的には好き。

ゲスト出演のポール・メコイによるラップですが、全体的にメロディアスな作品の為、あえてメロディの無いラップを混ぜるのは、かえってバランスが取れている気がします。

メタル調のバンドで合いの手パートにラップを入れる、というと他ではリンキン・パークが有名。

ですが本作はそれに、上手い具合にひんやりとしたゴシック成分を織り混ぜて、ファンタジックにまとめたイメージ。

ゴシック系のオルナタにデスボイスでも無いラップで合いの手を入れる、という曲はこれまでありそうであまり無かったので、新鮮な情感を感じられる思います。

重いリフ、流麗な旋律、澄んだボーカルと男らしいラップの掛け合いがトリプルコンボで攻め混んでくる作品です。


エヴァネッセンスを一躍有名バンドにした代表曲を聴いてみてください。




それでは。