田中理恵『ニンギョヒメ』
今日は田中理恵『ニンギョヒメ』を聴いた感想を。
この曲は日本の声優兼歌手の田中理恵が2002年にリリースしたポップバラードです。
田中理恵本人、杉田智和、柚木涼香が声優として出演している事でも知られているアニメ「ちょびっツ」のEDテーマだった事でも有名。
どろりとしながらも、透き通るような美しさを持つ曲。
アレンジ担当はいきものがかり、石井竜也とも共演したことでも有名な渡辺善太郎ですが、スローなテンポにアンニュイな音色のギターのエレクトリックピアノがのり、まるで海底の奥のように暗く神秘的な雰囲気が漂っています。
ダークさでは鬼束ちひろ、Dir en Greyのバラード曲に匹敵するのではないでしょうか。
歌い手は田中理恵。
GTO、ガンダムSEED、家庭教師ヒットマンREBORN!、るろうに剣心、ローゼンメイデン、斉木楠雄のΨ難……等々、超人気アニメに出演している大物声優ですが、歌声も秀逸。
これでもかというほど儚げ、そしてクリアな歌声で、楽曲に込められた寂しさを最大限に表現しています。
以前GACKTがアニメで声優を勤めた際、声優業の事を「本当に歌と同じ」(どちらも声で感情表現をするという意味で)とコメントした事がありますが、名声優は歌のセンスも鋭いようです。
全体的に、とても完成度が高いバラードではないでしょうか。
ちなみに作詞担当は「ちょびっツ」の原作CLAMPのメンバーの1人、大川七瀬で
「銀の明かりがともるそれぞれの部屋」
「きっと何処かにはいると願いながら歩く」
と、運命の人を探し求める孤独なヒロインの心境を切なくどこかリアルに描いた作品になっています。
名作曲&編曲家、名声優、名漫画家の感性が高い次元で融合したバラードを聴いてみてください。
それでは。