音の日

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ロードオブメジャー『大切なもの』

今日はロードオブメジャー『大切なもの』について。


この曲は日本のロックバンド、ロードオブメジャーが2002年にリリースしたパンクロックです。


日本のインディーズシーンの記録を塗り替えた曲。

累計90万枚を売り上げ、インディーズバンドの楽曲としては歴代1位。

さらにはオリコンで「19週連続TOP10入り」という
驚異的な記録も。

2000年代以降では最高週数です。

間違いなく日本のインディーズシーンの歴史に名を刻む曲だと思います。


作曲者は近藤信政(Gt)ですが、曲の構造的には、速いビートにシンプルなリフ、人との繋がりをテーマにした詞など、いわゆる「青春パンク」を地で行くもの。

海外パンクのような攻撃性、暴力性よりも、聴き手を励ますようなのある温かみメロディを主体としているイメージです。

元々は人気音楽番組「ハマラジャ」に出演していたバンド達の中から、それぞれヘッドハンティングされて集まった、いわゆる傭兵部隊のようなバンド。

そのせいか駆け出しのバンドとしてはサウンドはかなり洗練されていて、かなり綺麗な音色だと思います。

その丁寧に調整された音によって奏でられるメロディと、パンク特有のインパクトが混ざりあって、美しいんだけど弱々しくは無い、激しいんだけどうるさくは無い、という絶妙なバランスを楽しめる曲になっています。

ロードオブメジャー最大のヒット曲」の名に相応しい曲ですよね。



作詞者は北川賢一(Vo)。

「あたたかい 人の優しさに」
「僕は答えられているのだろうか」

テーマは「友情」だそうですが、ただ「友達って良いな」の歌詞とも違いますよね。

「困った時に助けてくれる友達は良いものだけど、その優しい友達に、一体自分は何を返せているのだろう」という内省的なメッセージとも読めます。

友達に何度も助けられると、初めの内は感謝していても、時間が立つとまるでそれが当たり前の事のように振る舞う人もこの世には一定数いたりします。

けどこの歌詞の主人公は決してそうならず、「そんな尊い友達にこそ感謝の気持ちを忘れないようにしたい」と、厳しく自分を律しているんですよね。

読んでいると、当たり前のようで忘れがちな大切な事を思い出させてくれる詞だと思います。

この曲自体、ロードオブメジャーの記念すべきインディーズデビュー作ですから、その彼らだからこそ「だからと浮かれてちゃいけない!」とこういう詞が書けたのかもしれませんね。


今まで自分に優しくしてくれた人達の顔をゆっくりと思い出しながら聴いてみるのも良い曲ではないでしょうか。



それでは。