音の日

好きな音楽、その他趣味のこと

アヴェンジド・セブンフォールド『Nightmare』

今日はAvenged Savenford『Nightmare』について。

バンド名が長すぎる為、ファンからは「A7X」と呼ばれています。笑

アルバム「Nightmare」収録。

この曲は、アメリカのオルタナティブ・メタルバンド Avenged Savenfordが2010年に発表したヘヴィメタルです。

収録アルバムは、このバンド初の売り上げ枚数全米1位を獲得しています。

実は、そのアルバムの曲作りが進んでいた2009年12月28日、オリジナル・ドラマーのジェイムズ・"ザ・レヴ"・サリヴァンが亡くなってしまう、という事件が起きました。

そこで生前ザ・レヴが敬愛していた元Dream TheaterのDr、マイク・ポートノイが期間限定で加入。

その復帰作アルバムの、第一曲目を飾るのがこの曲。


いわゆるモダンなヘヴィメタル

緊迫感のあるイントロから始まり、その流れで鋭くギターリフが刻まれます。

冒頭と中間部に入る、マイクのツーバス&タム回しが凄まじい。
大量の音数なのに、音色一つ乱れない演奏にDream Theaterの楽曲を連想したリスナーも多いのではないでしょうか。

しかしマイクらしいプレイをしているようで、フレーズにはザ・レヴの面影を感じます。

実はマイクは先代のザ・レヴに敬意を込めて、彼のプレイが録音されたデモ等を研究して、手癖もまね、限りなくザ・レヴのプレイに近づけて演奏していたとのこと。

マイクの演奏力以外の魅力がわかるエピソードですよね。


クライマックスはサビ。
M・シャドウズ(Vo)の歌声とキーボードとの、流麗な絡みが堪能できます。

キャッチーで一度聴いたら覚えられそうなメロディは、バラード曲並の美しさ。

ヘヴィな曲調で、この繊細さを演出できるのは凄いと思います。

意識的なのか無意識的なのかはわかりませんが、直前に幼い頃からの親友を亡くしていることが、楽曲に影を落としているのかもしれません。

しかしだからこそ、そんな悲しみも音楽に反映できるA7Xの、アーティストとしての意気込みを深く感じる事ができる作品になっていると思います。


重さとトリッキーさの中から、微かに漂う叙情性を感じてみてください。



それでは。







中島みゆき『空と君のあいだに』

今日は、中島みゆき『空と君のあいだに』について。


この曲は、日本のシンガー・ソングライター中島みゆきが1994年にリリースしたポップバラードです。

安達祐実京本政樹小柳ルミ子が出演したことでも有名なドラマ「家なき子」主題歌。


ヴォーカルのメロディラインがとても綺麗な曲。
中島みゆき自身の歌声も力強く、魂がこもっています。

プロデュースは、長渕剛徳永英明との共演でも知られる瀬尾一三ですが、彼の生み出すサウンドがメロディの美しさを限界まで引き出していると思います。


歌詞は、まっすぐな感情を表現したもの。

「空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る」
「君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる」

「君を幸せにできるなら、手段は選ばない」という容赦の無さと優しさが同居したような愛が込められています。

一見するとラブソングにも読める詞。

しかし実は、FM番組「お時間拝借」で中島みゆき本人が言うには、

「ここでの「僕」は,犬なんだよね。」

つまり飼い犬が,主人である女の子に向けた歌とのこと。

元々中島みゆきが、ドラマの製作側から依頼されて書いた曲ですが、その時点では内容をあまり知らされておらず、「貧しい女の子が、犬を連れてるドラマなんですよ」としか伝えられていなかったとか。笑

「犬の気持ちで見れば、犬が見えているのは『空』と『君』しかない」というニュアンスで、この歌詞になったようです。

ただ、動物、特に犬のように忠誠心が強い生き物の目線だからこそ「愛するものの為にはなんでもできる」という「純粋」ともとれる詞が書けたのかもしれませんね。


ちなみに同じミュージシャンからも人気が高く、

槇原敬之は1998年にアルバム『Listen To The Music』で、絢香は2013アルバム『遊音倶楽部 〜1st grade〜』において、この曲をカバーしています。

これらも素晴らしいアレンジになっているので是非聴いてみてください。



それでは。






KinKi Kids『愛されるより愛したい』

今日はKinKi Kids『愛されるより愛したい』について。


この曲は、日本の男性アイドルデュオKinKi Kidsが1997年にリリースしたポップロックです。


堂本光一堂本剛主演ドラマ「僕らの勇気未満都市」主題歌。
ドラマは、2017年の7月に続編が放送されたので、知っている人も多いかもしれません。

KinKi Kidsの楽曲の中では「硝子の少年」に次いで、 第2位の売り上げを誇る曲。

タイアップのドラマの内容は、細菌に汚染された幕原(モデルは幕張)に、政府によって隔離管理された未成年の子供たちが、暴力や略奪を経てやがて団結し友情を育んでゆく、というシリアスなもの。

しかし曲調自体はそれと相反するような、当時流行していたクラブ・ダンスミュージックを思わせる軽快なリズムを主体としています。

前作の「硝子の少年」の流れを引き継いでいるような印象です。


歌詞は、むしろドラマに合っているもの。

愛されるより 愛したい真剣(マジ)で」
「傷ついて立ち止まって そんな僕だけど」
「泣き顔の天使 あの空の下へ」
「強い風に向かいながら 走りつづけたい」

実は、元々タイトルとこのサビの詞は「青春の光」でしたが、KinKi Kidsがドラマの雰囲気に合うように、歌詞について意見してこの「愛されるよりも愛したい」に変更になったとのと。

当時10代とは思えないプロ意識です。

この曲の作詞を担当した森浩美
「とてもプレッシャーのかかった作品でした。デビュー作が、200万枚ものセールスがあり、その2弾目となるものでしたから、コケるわけにはいかなかったのです」
と語っていますが、KinKi Kids自身も「硝子の少年」のヒットによる、世間からの見えないプレッシャーと戦っていたのかもしれませんね。


ちなみにドラマには、まだ嵐結成前の松本潤相葉雅紀が出演しています。

まだ幼く初々しい姿は、嵐ファンにとっても見どころではないでしょうか。笑


若い情熱が込められた曲を、是非聴いてみてください。



それでは。






バックチェリー『Sorry』

今日はBuckcherry『Sorry』について。

アルバム「15」収録。

この曲は、アメリカのHR/HMバンドBuckcherryが2005年に発表したロックバラードです。


タイトルの通り、歌詞は恋人にひたすら謝り続けるというもの。

「僕の中にある上手くいかない原因は解決できない」
「君の泣く姿を見たら死にたい気持ちになる」
「すまない、僕が悪いんだ、君を落ち込ませてすまない
僕が君に言ったことすべて悪かったよ」

この世に謝罪の気持ちを込めた歌はいくつもあるでしょうが、一曲の中でこれだけ謝る曲も珍しいですよね。笑

そしてラストも

「君は泣きながら、眠れない夜を過ごしてる。」「遅すぎるなんてことはないと僕は叫ぶ」
「すまない」

と終始謝り続ける。

普段硬派なHRを演奏する事の多いBuckcherryがこの歌詞を歌う事には、ユニークなギャップ感があると思います。


少し暗い詞に対して、曲は癒しのバラード。

ふんわりしたストリングスの音色が心地いいです。

3分程度のコンパクトな曲なのですが、その分余分な音が無く、すっきりしている印象があります。

実は、2002年に一時解散しているバンドですが、2005年に新メンバーを加え再結成し、まもなくリリースしたアルバムの収録曲。

それにも関わらずそのブランクを感じさせない、素晴らしい完成度のバラードになっていると思います。

後にシングルカットされましたが、それが母国アメリカで大ヒット。
ダブルプラチナム獲得まで達成しました。

元々デビュー前から、あのキッスのオープニングアクトとしてツアーに同行するなど注目を浴びていたバンドですが、その実力、何よりも作曲センスが遺憾なく発揮された曲ではないでしょうか。


ストレートで、それでいて濃密なバラードを是非聴いてみてください。



それでは。






藤井フミヤ『True Love』

今日は藤井フミヤ『True Love』について。


この曲は、日本のミュージシャン藤井フミヤが1993年にリリースしたポップバラードです。

石田ひかり筒井道隆木村拓哉が出演したことでも知られるドラマ「あすなろ白書」の主題歌。

チェッカーズの解散から約一年後、ソロ活動を始めてからの、記念すべき第1作目のシングル。

曲は、とても王道のポップ。
コードを3つ使えば演奏できてしまう程です。

この曲に限らず大ヒットした曲は、意外と構成自体はシンプルだったりしますよね。

「本質を突いてるならシンプルで良い」とは言いますが、この曲はそれを見事に体現している楽曲ではないでしょうか。


個人的には歌詞が好きです。

「振り返ると いつも君が笑ってくれた」

「君だけを信じて 君だけを傷つけて」
「僕らはいつもはるかはるか遠い未来を夢見てたはずさ」

実は、フミヤがチェッカーズのファンに向けて綴った詞とのこと。

「僕らの勝手で、解散してしまって申し訳ない」という思いを込めたそうです。

一見穏やかに聴こえる曲の中にも、どこか物悲しい感じがするこは、そういう理由だったのかもしれません。

けれどそうした、ある意味贖罪の思いから生み出されたこの『True Love』は、多くのチェッカーズファンの心に響き、さらには新しいファン層まで開拓しました。

むしろ、この曲の偉大さを改めて感じるエピソードではないでしょうか。


ちなみにこの曲のリリース直前、あの井上陽水に「一発目は当たらんといかんぞ」と発破をかけられたとか。笑

大先輩から激励を浴びせられて、フミヤも気合いが入ったことでしょう。笑


感謝と哀愁と、希望が込められた歌を是非聴いてみてください。



それでは。








Field of View『渇いた叫び』

今日はField of View『渇いた叫び』を聴いた感想を。


この曲は、日本のロックバンドField of Viewが1998年にリリースしたポップロックです。

アニメ「遊☆戯☆王」第一期のOPテーマだったことでも有名な曲。


作詞・曲は、過去何度か「名探偵コナン」に楽曲提供していることでも知られる小松未歩

歌詞は

「もう一人の自分をつくる」

と、「遊☆戯☆王」を意識したような内容。

しかしそれだけじゃなく

「渇いた叫びが くじけそうな胸を突き刺す」

と折れそうになっている心を、自分自身で熱く励ますようなフレーズも入っています。

彼女の書く歌詞はどれも名作揃いですが、このように自分の思いと、アニメのストーリーをさらりと同居させる構成力はさすがです。


メロディは、ポップの中でもロック成分が強くエモーショナル。

小田孝のギターがギュンッと激しく響いています。

「君がいたから」、「突然」がヒットした影響で、Field of View=メロディアスな曲主体のバンド、というイメージを持っている人は、新鮮な驚きを感じる事ができる曲ではないでしょうか。

ただいつもと違う音楽を演奏していても、やはりサウンドは「Field of View」。

作曲、アレンジはバンド外の人間が担当していも不自然さを感じさせないのは、Field of Viewの演奏が楽曲を自分のものに昇華しているからでしょうか。

浅岡雄也(Vo)の伸びやかな発声と、ハードな曲調が絶妙なバランス感覚を保っていると思います。


コーラス、間奏部分には英詞(歌詞カードには載っていない)が入るなど細かな演出も。

こういうオシャレなアレンジは、小澤正澄(PAMELAH)のセンスですよね。


小松未歩がアルバム「小松未歩6th~花野~」でセルハフカバーしているので、そちらもオススメです。



それでは。





ヨーロッパ『Seven Doors Hotel 』

今日はEurope『Seven Doors Hotel』について。


アルバム「Europe」(邦題・幻想交響詩)収録。

この曲は.スウェーデンHR/HMバンドEuropeが1983年に発表したパワーメタルです。


妖しい魅力のある曲。

歌詞は1981年に公開された、ルチオ・フルチが監督をつとめた映画「ビヨンド」のストーリーをモチーフにしたもの。

「今から400年前、セブン・ドアーズ・ホテルで起こった大虐殺で死んだ1人の若者が地獄へ通じる門を開いた」

「セブン・ドアーズ・ホテル 地獄へ続く7つの門の1つ」

映画自体は、一度見ただけでは内容が掴みにくい程のシュールな展開と、連続する残酷な描写が印象的な、いわゆるスプラッタ映画

ルチオ・フルチの最高傑作」との呼び声も高いホラーです。

世界観が、ミステリアスな曲調に綺麗にハマっていると思います。


バンド自体、「北欧メタルの先駆的グループ」と呼ばれるバンドですが、この曲もクラシカルなメロディと荒々しいメタルサウンドの融合。


ジョン・ノーラム(Gt)が奏でる、マイケル・シェンカーにインスパイアされたと思われるギターソロが良いです。
ハモり部分が絶品。

キーボードのメロディにも重みがあります。
威厳さえ感じる旋律は、教会音楽のよう。


サビは壮大。

ジョーイ・テンペスト(Vo)の中性的なキーで歌われる歌唱も味がありますが、それとバックで流れるダークなクワイアが絡み合い、夜の海のような暗さとスケールの大きさが演出されています。

迫力があるのに不思議と静かに感じる、というある種、独創的なサビではないでしょうか。


「北欧メタルの原点」と呼ばれる曲を是非聴いてみてください。



それでは。