音の日

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アイアン・メイデン『The Evil That Men Do』

今日はIron Maiden『The Evil That Men Do』について。


アルバム「Seventh Son of a Seventh Son」収録。

この曲はイギリスのHR/HMバンドIron Maidenが1988年に発表した正統派へヴィメタルです。

アルバムの邦題は「第七の予言」。


雄々しくも哀愁がある曲。

メイデン曲全般に言える事ですが、サウンドは太く男らしいらしいのに、どこか切なさがあります。

その強さと脆さのギャップが彼らのテイストになっていると思うのですが、本作はなんとスティーヴ・ハリス(Ba.Vo)、ブルース・ディッキンソン (Vo)、エイドリアン・スミス(Gt.Key.Vo)の共作。

それぞれが生み出したそれぞれのメロディが巧みに組み合わされていて、まるで一種の巨大美術品のような威厳でリスナーを圧倒していきます。

とても勢いが強い曲なのに、サビでは美しいメロディになるメイデン節の曲展開は健在です。


この曲で良いのは、デイヴ・マーレイ(Gt)とエイドリアンのギターメロディ。

そこまで音数が多いわけではないのですが、それが隅々までエモーショナル。

特に素晴らしいのがその2人によるツイン・リード。

基本的にメイデンのギターの音はデイヴが柔らかなクリーン・トーン担当、エイドリアンが鋭く激しいトーン担当といった感じですが、本作ではその異なる音色が二人三脚でメロディを奏でます。

ドライブ感のある曲なのに、どこか高級感があるのはこのギターメロディの要素が大きい。

かと思えばリフでは、ファンから「軍艦リフ」と称されるほど重く突撃力のある刻みで圧力を発揮したりと、メタル曲として隙がない構成。

現在のメイデンは、ギタリスト3人体制という、「ギターオペラ」とでも言うべき圧倒的スケールのプレイを聴かせてくれます。

ただ、このギタリスト2人体制時代のコンパクトな構成も、(それでも充分、壮大ですが)色の違うかっこ良さがあったのではないでしょうか。

荒々しさと瑞々しさの共演のような曲です。


余分な音の無い、研ぎ澄まされたメタル曲を聴いてみてください。



それでは。