モトリー・クルー『Live Wire』
今日はMötley Crüe『Live Wire 』について。
アルバム「 Too Fast For Love(邦題:華麗なる激情)」収録。
この曲は、アメリカのHR/HMバンドMötley Crüeが1981年に発表した正統派ハードロックです。
エネルギッシュさとラフさの対比がかっこいい曲。
パワフルさ、という観点ではモトリーの中でも最高の作品だと思います。
トミー・リー (Ds) のツーバス連打がド迫力。
モトリー・クルーというと、世間一般ではその荒々しいサウンドとメンバー達のキャラの濃さのためか、「激しいHR/HMを演奏するバンド」と言うイメージがありますが、意外にもこういう「疾走曲」は少ないんですよね。
HR/HM界では
「若い時は勢いを重視した曲作りをし、年齢を重ねると厚みや繊細さを重視した曲を作る」
という流れが伝統的にあると思いますが、本作はモトリー初期の作品。
その為か、ノリで聴き手を押し切るような攻撃性を備えている感じです。
と言っても、勢いだけの曲ではありません。
メロディ自体は覚えやすくキャッチーで、ハードロック的なコアさと、ポップス的な解りやすさが高度なバランスを保っています。
この「濃い世界観を持っていても、どこか親近感がある」感じは出世するロックバンドの共通点ですよね。
そしてハードロックであるからには、やはりリフ。
ミック・マーズ (Gt) の奏でる、荒っぽいのに深みのあるサウンドが独特な品を楽曲に付与しています。
その深みとは、この音色の無邪気さ。
あまり「綺麗な音で弾いてやろう」みたいな打算的な気持ちを一切感じさせない、良い意味でもそうじゃない意味でも、何も考えず気分だけで演奏している感じが伝わってくるのが逆にかっこいいんですよね。
現在はギタリストとしてベテランの域に達し、病魔と闘いながらも熟練の、脂ののったプレイを聴かせてくれるミックが、この時の荒ぶるサウンドを再現できるのかは解りませんが、「若き日ならでは」のミック、ひいてはモトリー・クルーメンバー全員の音が楽しめる楽曲になっていると思います。
ロックにおいては若さも立派な武器という事ですよね。
青さの中にも鋭すぎるセンスが光る曲を聴いてみてください。
それでは。