カーペンターズ『Top of the World』
今日はカーペンターズ『Top of the World 』について。
この曲はアメリカの兄妹ポップス・デュオ、カーペンターズが1972年にリリースしたポップバラードです。
1973年にBillboard Hot 100において1位を獲得した曲。
日本でも、いしだ壱成、香取慎吾、浜崎あゆみが出演したことでも知られるドラマ「未成年」の主題歌としても有名ですよね。
とても穏やかな曲。
兄リチャードの作曲センスにも脱帽ですが、好きなのは、妹カレンの女性シンガーとしては低音域で発せられる歌声。
安息を与えてくれるというか、キーが一般人女性の話し声くらいの為か、良い意味の日常感のようなものを感じるんですよね。
一般に歌姫と言うと、例えばマライア・キャリーやホイットニー・ヒューストンのようなパワフルな高音域シンガーが連想されると思います。
もちろんそれはそれで素晴らしいんですが、こういう低い声でも聴き手の胸に響く声が出せる彼女は、また違った魅力を持つ「歌姫」ではないでしょうか。
親近感ある曲調とは裏腹に、タイトルの『Top of the World』は、和訳すると「世界の頂上」という壮大なもの。
「私は世界の上に立って眺めてる」
「唯一できる説明は」
「あなたと出会ってから見つけた愛」
「あなたの愛が私を空高く舞い上げてくれたの」
恋人へのあまりの愛による高揚感を、「世界の頂上」と比喩したようです。
微笑ましくもどこか尊い詞ですよね。
残念ながらカレンは、1983年に拒食症で亡くなってしまいました。しかし彼女の歌声は、いまだに世界中の心に寄り添い続けています。
ちなみにオリコン関係者がとった集計によると、日本での1970年から89年にかけての海外アーティストとしてのアルバムの売り上げは、ビートルズに次いで2位とのこと。
もう兄妹揃っての演奏を聴くことは出来ませんが、その代わりにこの世に最高の音楽を残してくれたと思います。
温かく純粋な歌を是非聴いてみてください。
それでは。