音の日

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中島みゆき『糸』

今日は中島みゆき『糸』について。


アルバム「EAST ASIA」収録。

この曲は、日本のシンガー・ソングライター中島みゆきが1992年に発表した曲で、清らかなメロディが印象的なポップバラードです。


ドラマ「聖者の行進」主題歌。

元々セールス的には、中島みゆきの曲の中では必ずしも大成功した曲ではありませんでしたが、Bank BandMr.Childrenの桜井がカバーしたことで話題になり、「こんなにいい曲だったんだ」と再評価された曲。


あえて抑揚を抑えたような、中性的なメロディが特徴です。

まるで人生経験豊富な大人が、やんちゃな青年を諭しているような落ち着きがあります。

こういうメロディを嫌味なくナチュラルに歌いあげられるのは、彼女の思慮深さが歌の表現力に繋がっているからでしょうか。


歌詞は少し厳しくて、とても温かいもの。


「縦の糸はあなた 横の糸はわたし」
「逢うべき糸に出逢えることを 人は仕合わせと呼びます」


「仕上わせ」は「めぐりあわせ。運命。」の意味とのこと。

序盤に「いつめぐり逢うのかを 私たちはいつも知らない」と書いてあるように、人は望んだ人間に望んだようには出逢えないもの。

だからこそ、そういう人に出逢えたことは、運命的で尊い

これからその人と、嬉しいことも辛いことも共に体験して「幸せ」を作り上げていこう。

という意味に、個人的に解釈しています。


この曲に限らず、世の中の厳しい現実を突き付けながら、それでも人との触れ合いの中で幸せになる生き方を見つけることは出来る、という内容の詞は彼女の作品には多い気がします。


彼女の詞が多くの人に愛されているのは、ぬるいきれいごとのような詞でも、ただ冷めてるだけのようななげやりな詞でも無く、純粋に現状受けとめ、そこからどう進んで行くか、と向き合った出た言葉が人々の胸に刺さるからかも知れませんね。


聴き手の心の深くに染み渡る歌を、感じてみてください。



それでは。