音の日

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ストラトヴァリウス『Eagleheart』

今日はStratovarius『Eagleheart』について。


アルバム「Elements, Pt. 1」収録。

この曲は、フィンランドHR/HMバンドStratovariusが2002年に発表したパワーメタルです。


非常に洗練された曲。

一般的にメタル曲と言えば、アップテンポに重いサウンドを合わせるというコンセプトのジャンルですが、テンポはミドル、音もむしろ軽快。

パワーメタル界隈の中でも、異色の世界観を醸し出しています。


特に印象的なのが、ティモ・トルキ(Gt)のギター。

音が本当に少ないんですよね。

イントロとソロでメロディは弾いてますけど、それ以外は合間に少しコードを弾くのと、合間で短くまたメロディを弾くのみ。

この曲がリリースされた同時期には、ドラゴン・フォースが、まるで洪水のよう音数のギターでパワメタ界に台頭していましたが、そうした流れに反するような素朴なプレイです。

おそらくはティモ・コティペルト(Vo) の歌う、美しい歌メロを映えさせる為の、あえて抑えた演奏。

日本なら歌謡曲の文化があった為か、HR/HMバンドが歌メロを引き立てる為に他のパートはセーブした演奏をする、というのはある程度珍しくはありません。

しかし北欧のバンドで、このレベルまでギターを抑えるタイプの曲は珍しいのではないでしょうか。

本作の作詞・作曲はティモ・トルキ(Gt)。

その気になればもう少しギターが目立つ曲を作る事も出来たのに、あえて自分が前に出まくるより、バンドとしてのグルーヴを優先するトルキの音楽に対する真摯さが伝わってきます。

「Stratosphere」で聴けるような高速スウィープのトルキも良いですが、あえて音を減らした、すらりと研ぎ澄まされたトルキのギターも男前。

「一番重要なのは曲。だからこそ、まずは何よりも曲が良くなければならない。ギターソロを弾いたりキーボードソロを弾いたりしても、すべての人がわかってくれるわけじゃないよね」

と彼自身が語っているように、トルキの音楽哲学が明快に表現された曲ではないでしょうか。


軽やかで厚みのある曲を聴いてみてください。




それでは。