ドラゴン・フォース『My Spirit Will Go On』
今日はDragonforce『My Spirit Will Go On』について。
アルバム「Sonic Firestorm」収録。
この曲はイングランドのパワーメタルバンドDragonforceが2004年に発表したメロディックスピードメタルです。
激流のように激しく、展開の変化に富んだ曲。
一説には「スピードメタルに、本格的なブラストビートを導入した始まりの曲」。
速さの面ではドラゴン・フォースとしては一般的ですが、とにかくリフとリズムのパターンが変化しまくり、人間技というより「自然現象」という領域に達しています。
「リズムパターンが変化しまくる」と言ってもプログレ的に変化するのでは無く、あくまでスラッシュビートの流れを維持した中での変化なので、スピードメタル本来の迫力は損なわれていません。
この変化数はどことなくアイアン・メイデンを連想。
これだけ派手な事をして王道スピードメタルの形を崩さない、サム・トットマン(Gt)の曲構成力には驚くばかりです。
ZPサート(Vo)の歌声も聴きどころ。
デビュー当時の頃はメタルファンの間では、声域が広い事以外はあまり注目されていなかった彼ですが、本作収録のアルバムから歌声に重厚さがましています。
特に中音域が太くなった印象。
もともとボーカルのメロディに日本のポップスのような情感があるのに加え、それをこの歌声で歌う事で感動が増幅。
基本的に海外メロスピはギターの動きはメロディアスなのに歌メロは単純、というパターンも多いのですが、この曲の歌メロはそれだけでも聴ける程美しいメロディ。
速いリズムに美しいギター+綺麗な歌メロ、という組み合わせは日本のXjapanのようです。
ちなみに彼らの楽曲の中でも、デイヴ・マッキントッシュ (Ds)のプレイが光る曲でもあります。
ドラゴン・フォースと言うとサム・トットマン (Gt)
とハーマン・リ(Gt)の音速ギターソロが有名ですが、この曲はそのソロ後半で、デイヴの鬼のようやブラストビートが発動。
彼はこのバンドのメンバーとしては、本作収録のアルバムが「デビュー作」のため気合いが入ったのかもしれませんが、ブラストの入りのタイミングが絶妙なので、プレイのかっこよさが倍増しています。
ドラゴン・フォース曲としては珍しい、必ずしもギター優位とは限らない楽曲を是非聴いてみてください。
それでは。