ライオット『Thundersteel』
今日はRiot『Thundersteel 』について。
アルバム「Thundersteel」収録。
この曲は、アメリカのHR/HMバンドRiotが1988年に発表したパワーメタルです。
ライオットの中でも、これ以上は無いというほどの王道なパワーメタル。
鋭く速いドラムにのる叙情的なメロディはメタルファンなら、アメリカというよりは北欧のメタルを連想するのではないでしょうか。
この曲で好きなのは、その激速のリフ。
パワーメタルだけあってもちろんメロディも美しいのですが、それだけじゃなくこの曲が放つシリアスさ、緊迫感のようなものはこのリフが醸し出していると思います。
当時のアメリカではもっと朗らかというか、ポジティブな雰囲気のメタルが流行していた印象。
マーク・リアリ(Gt)の影響が強いのでしょうが、その中であえてこういうシビアな曲を発表するセンスが面白いです。
ボーカルのトニー・ムーアの歌声がジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードに似ているのも個人的にポイントが高いです。
ギターソロパートもクラシカルでスリリング。
速いのですが、あえて大きな抑揚を省いた「攻撃的なようで冷静」な旋律で聴き手を熱中させます。
この感じもアメリカというよりはヨーロッパ、特にジャーマンメタル。
エキサイティングの中にも、「ここでこのフレーズはとうして入れたんだろう?」と、こちらに考えさせる要素があります。
アメリカ的エネルギー量と、北欧的デリケートさを併せ持つ曲です。
攻撃的ながらクールなメタルを聴いてみてください。
それでは。