音の日

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槇原敬之『もう恋なんてしない』

今日は槇原敬之『もう恋なんてしない』について。


この曲は、日本のシンガー・ソングライター槇原敬之が1992年にリリースしたポップバラードです。

柴田恭兵、三浦洋一、風間トオルが出演した事でも知られるドラマ「子供が寝たあとで」と主題歌としても有名。


日本でもヒットしましたが、海外でも評価が高く、ポルトガル、韓国、香港など多くの国のプロミャージシャンにカバーされています。

元々は槇原敬之が、プライベートで仲の良いキーボティスト本間昭光(その後、ポルノグラフィティいきものがかりのプロデュースを務めた人)から、先日失恋した事を話された時に

「本間さんが元気になる曲を作りますよ」

と返し、その後に生み出された曲とのこと。


楽曲的には憂鬱な雰囲気と、それ以上の温もりを兼ね備えたメロディが特徴的。

Aメロはしとやかで少し落ち込んでいるような歌メロが流れますが、Bメロからうっすらと元気になっていき、サビで伸びやかな旋律に変わっていきます。

まるで失恋で落ち込んだ人が、幸せだった日々を振り返っていき、「それでも良い思い出だったな」と元気を取り戻していくよう。

面白いのが歌詞。

有名な

「もう恋なんてしないなんて 言わないよ 絶対」

のフレーズ。

ファンの間でも長らく「タイトルが「もう恋なんてしない」なのに矛盾しているのではないか?」と物議を醸していたんですよね。

それに対しての槇原敬之本人の答えは

もう恋なんてしない、では若い人に向けて恋愛を否定的に歌ってしまいかねない。
だから、恋愛に対するポジティブな面を強調するため、二重否定にした。

つまり否定形のタイトルは、否定形の言葉を後で二度重ねる為の「布石」みたいなものだったんですよね。

本当はポジティブな内容の歌詞を、あえて否定の言葉を使う事でよりポジティブに聴こえさせる為の、言葉のトリック。

ポップアーティストには珍しい「詞先」で曲作りをする彼らしい、歌詞へのこだわりを感じます。

ちなみに肝心の本間昭光のこの曲を聴いた時の感想は、

「元気になる曲だけど俺の失恋話は槇原が書いた詞のように良い話では無いんだよなぁ~笑」

まぁ、冗談雑じりにこういう事を言えるくらいですから、きっと元気にはなったんですよね。笑


語りかけるように安心感を与えてくれる曲を聴いてみてください。



それでは。