音の日

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L'Arc~en~Ciel『侵食~lose control ~』

今日はL'Arc~en~Ciel『侵食~lose control~』を聴いた感想を。


この曲は、日本のロックバンドL'Arc~en~Cielが1998年にリリースしたロックチューンです。

マシュー・ブロデリックジャン・レノ、マリア・ピティロが出演した事でも知られる映画「GODZILLA」(ゴジラ)の挿入歌としても知られています。


狂気をテーマにした楽曲。

「I died then my instinct was born」 (僕が死んで 僕の本能が生まれた)


作詞者はhyde(Vo)ですが、hyde自身はインタビューでこの詞について

「初めに映画のサントラっていう前提が あったんで、まずゴジラとはどんな存在なんだろうっていうのを自分なりに解釈してみたんですよ。」

「それで社会的な状況によって理性が失われて、本能のみで暴走してしまうような感覚っていうのかな。そういうのを描いたんですけど。」

と語っています。

テーマが「狂気」だとしても荒々しい表現は使わず、「春めく季節」や「ひらひら浮かぶ蝶々」など美しい言葉を選んでいるところにhydeの繊細なセンスを感じます。


曲はとても妖艷で、なおかつ複雑。

始めはダークで静かなアルペジオから始まりますが、そこから一転。

変拍子を多用した激しいロックパートに突入します。

その変拍子の中にも、一般的なプログレッシブロックではあまり見られない、7/4拍子(普通は6/8拍子など)というリズムが。

作曲者はken(Gt)ですが、tetsuya(Ba)の曲がたとえばメロディアス路線の作曲者だとしたら、こういうこだわり派な良い意味のコア路線の作曲はkenの土俵ですよね。

J-Rockにマリリン・マンソンの音楽の要素を組み込んだようなイメージです。

L'Arc~en~Cielが凄いのは、そのコアな曲調でもしっかりとヒットさせた事。

実はリリース前までは、メンバー自身もセールス面での自信は無かったらしく、作曲者のkenさえ「こんな(ダークな)のがチャートにはいるわけがない」と思っていたそう。

しかしいざリリースしたら、オリコン週間シングルチャートでは、51万枚以上を売り上げ初登場3位を獲得。(しかも翌週は2位)

オリコン3位の初動としては歴代最高記録を樹立しました。

音楽業界の常識ではあり得ない事のようで、プロデューサーの岡野ハジメも後に「こういった変拍子の曲は、プロデューサーの立場で見ても、客観的に見ても、普通は売れない」と語っています。

その変拍子の曲で日本レコード協会からダブル・プラチナまで授与されたL'Arc~en~Cielは、邦楽界の歴史に一石を投じた、と言えるのかもしれませんね。

独特なのに売れた、という珍しい例の楽曲です。


音楽的にも記録的にも異色な曲を聴いてみてください。



それでは。