音の日

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Sads『忘却の空』

今日は、Sads『忘却の空』について。


この曲は、日本のロックバンドSadsが、2000年にリリースした曲で、悲痛さと力強さの感情が織り混ざるパンクロックです。


ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」の主題歌としても知られ、彼ら自身の最大のヒット曲でもあります。


イントロから、全体に拡がるアコギのサウンドが美しいです。

他のパートも、細やかなミックスのおかげで、音色が重厚。


歌メロはキャッチーですし、リズムもアップテンポで軽快ですが、曲自体の雰囲気には哀愁があります。


この曲の制作中に、作詞作曲者の清春が、他のメンバーとの確執(本人いわく、「(他のメンバーは、)責任を果たさないのに、あれこれ言う」)が原因で、精神的にダウンしていたことが反映されているのかもしれません。


この曲で特に印象に残ったのは、以前の清春とは違う、彼自身の心境の変化が読み取れる歌詞です。


『忘却の空』は原曲と、数年たった後のソロのライブでは、歌詞の一部が違うのですが、

原曲では、


I Believe Me、I Trust Me、I Believe My Life」


この歌詞を書いた時のことを、後に清春

「(当時は)自分しか信じられるものが無かった」

と語っていました。


しかし数年後には、


I Believe You、I Trust You」


この歌詞に変えて歌い、その頃の清春は自身のことを

「今はファンや周りの事も信じられるようになった」

と言っています。


昔は、元々持っていた強い反骨精神や、前述のようなメンバーとの対立の為に、他人に対して心を閉ざし気味だったけれど、その後沢山の人と関わり、ファンからも祝福され、少しずつ心の氷が溶けていった。


苦しみながらも前に進む彼の想いが、最もストレートに表された曲の1つだと思います。


日々の生活の中で、ふと「自分のことを、理解してくれている人はいるのだろうか」と、不安感を感じてしまう時に聴くと、心に刺さる曲かもしれませんね。


それでは。