Gackt『Jesus』
今日はGackt『Jesus』を聴いた感想を。
この曲は、日本のシンガー・ソングライターGacktが、2008年にリリースした曲で、攻撃的なサウンドと変幻自在な歌声が特徴的なラウドロックです。
享楽産業「CRスロぱちんこグラディエーターエボリューション」のCMソングとしても有名な曲です。
「Wake me up この夢から」
「Real or dream? 教えてくれMaria…」
おそらく「Jesus」とは、「Maria(マリア)」の子供。
つまりはイエス(キリスト)のことですよね。
この歌詞の内容は、2ndアルバム「Rebith」(2001年)の続編とのことですが、それをストレートに、それでいて悲痛に表現したフレーズだと思います。
この曲は、サビの歌声がかっこいいです。
出だしのハイトーンシャウト、HR/HM並の音圧の演奏の時点で、すでに充分すぎる程の勢いがあるのですが、そこからこの爆発的なサビに入ると、リスナーを圧倒するほどの迫力に達します。
Gacktの曲というと、世間ではバラードのイメージを持つ人も多いようですが、この曲を聴くと、やっぱりこの人の本質はロックスターなんだな、と思わせてくれます。
中間で入る、デスVoのような歌声も良いですね。
彼に繊細な曲を歌う歌手、という印象を持っている人ほどギャップを楽しめる歌ではないでしょうか。
それでは。
ストラトヴァリウス『Hunting High and Low』
今日はStoratovarius「Infinite」収録曲『Hunting High and Low』について。
この曲は、フィンランドのパワーメタルバンドStoratovariusが、2000年に発表した曲で、きらびやかな演奏とポップな歌メロが特徴的なネオクラシカルメタルです。
Gt.ティモ・トルキが、精神病から復帰してから1作目のアルバムから、シングルカットされた曲でもあります。
Voのメロディラインが最高です。
ミドルテンポ、リズムは8ビートを基本とし、短めのGtソロなど、彼らの曲としては珍しいほどシンプルなのですが、とにかく歌メロが良い曲だと思います。
ラストの転調部分で入る高音のコーラスが、楽曲を思いきり盛り上げてくれています。
この曲で、好きなのは歌詞です。
「憂いは置き去りにして 心と体の自由を感じよう」
「僕の旅路は始まり、僕は風と共に漂っていく」
「僕は進んでいく」
読んでいると、胸が軽くなっていくような歌詞ですよね。
作詞者はVo.ティモ・コティペルトですが、個人的な憶測では、精神的には病み上りだった当時のトルキの為に、コティペルトが「気負わなくていい」というメッセージを込めて、この詞を書いたんじゃないか、と思ったり。
聴き手を、胸に抱える重圧から解き放ってくれる曲ではないでしょうか。
それでは。
レベッカ『フレンズ』
今日はレベッカ『フレンズ』について。
この曲は、日本のロックバンドレベッカが、1985年にリリースした曲で、縦ノリのリズムと影のあるメロディが印象的なロックチューンです。
ドラマ「ハーフポテトな俺たち」のEDテーマだった曲としても知られています。
歌詞は、青春時代の恋愛を思わせる内容。
「口づけをかわした日は」
「ママの顔さえも見れなかった」
初々しくも、沢山の人が共感できる歌詞ですよね。
聴きながら、自身の若い頃を思い出した大人達も多いのではないでしょうか。
曲調は王道のJ-ROCK,。
ニューウェーブ色が強い楽曲が多かった当時のレベッカでは、こういうストレートな曲は、むしろ新鮮だったと思います。
出だしの時点で、沢山のリスナーが心を捕まれたよね。
Gtと個性的なサウンドのKeyの絡みが綺麗です。
軽快ながらも、神秘的な雰囲気を感じます。
何よりも、キャッチーなのに、どこか哀しげな歌メロが最高です。
くっきりとした音色の演奏も良いですが、この曲は歌の音階が素晴らしいと思います。
それを表現する、良い意味で擦れた声色のVo.NOKKOの歌声が、歌メロの魅力をさらに高めてくれていますよね。
アップテンポながらも、叙情的なところが良い曲だと思います。
1999年には「remixed edition」Verも出ているので、そちらもオススメです。
それでは。
小松未歩『氷の上に立つように』
今日は小松未歩『氷の上に立つように』を聴いた感想を。
この曲は、日本のシンガー・ソングライター小松未歩が、1998年にリリースした曲で、静かな歌声と情熱的な世界観が印象的なポップバラードです。
アニメ「名探偵コナン」のタイアップ。
また、彼女自身の曲の中でも、TOP3に入る売り上げを記録した曲としても知られています。
曲調はタイトルの通り、どこか冷えた雰囲気があります。
透き通るようなKeyのサウンドが「氷」を連想しているような印象です。
ただ、「冷えた雰囲気」と言っても無機質ではありません。
むしろその冷たさと、小松未歩の消え入りそうなVoが、かえって曲の情緒を引き立たせているような感覚がすると思います。
歌詞の内容は、曲の雰囲気とは逆に熱いもの。
「宇宙船が目の前に降りたら」
「迷わず手を伸ばし その船に乗り込みたい」
「その日 一日を悔やみたくないから」
「きっと友達だって残し 地球を旅立つの」
「友達だって残し」というと、これも一見冷たい感じがするかもしれませんが、とちらかと言うと
「大事な友達を置いてでも、未知の世界を体験してみたい」
という感情が伝わってくると思います。
確かに友人と過ごす日々も温かくて良いものですが、それこそ「氷の上に立つように」、時には行ったことが無い場所に、1人で旅に出るような時間があった方が、より充実した人生に近づけるかもしれませんね。
基本的には恋愛や、人との繋がりの歌詞が歌われることが多い日本のポップスで、こういう内容の歌は珍しいと思います。
美しい衝動と、強い意志が込められた曲を是非聴いてみてください。
それでは。
マノウォー『Wheels of Fire』
今日はManowor「Kings of Metal」収録曲『Wheels of Fire』について。
この曲は、アメリカのヘヴィメタルバンドManoworが、1988年に発表した曲で、聴き手を押しきるような圧力が特徴的なパワーメタルです。
スピード感では、彼らの楽曲の中でも随一の曲ではないでしょうか。
出だしでは、まずバイクのエンジン音のSEが流れ、雰囲気を盛り上げてくれます。
その後の展開は、その演出に相応しい、勢いのあるもの。
スラッシュメタルのような疾走感のあるリフが流れ、まるで本当に、全速力で走るバイクに乗せられているような気分を味わうことができます。
それにのるVo.エリックの歌唱も素晴らしい。
ところどころで披露される、超高音スクリームがかっこいいです。
エリックといえば、4オクターヴの声域を持つVoとしても有名ですが、高音域の叫び声なのに声色がナチュラルなのは、この音域の声を完全に操っているからなんでしょうね。
この曲で好きなのはサビメロです。
太く滑らかな中音域で歌われる歌メロが最高です。
A~Bメロまでは、メタル色全開のシャウト声なのですが、そこから急激にメロディアスになる展開がおいしいと思います。
Manoworといえば、
「ライヴでの演奏が、世界で最も大音量のバンド」
としてギネス世界記録を獲得したことがある、ということでも有名ですが(現在では、“聴力障害を促す恐れがある”という理由で、このカテゴリは廃止)、演奏音の大きさだけじゃなく、メロディのセンスも素晴らしいのが、硬派なメタルファンから長く愛される理由なのかもしれませんね。
圧倒的な迫力の演奏にのる、哀愁のメロディを聴きたい人にオススメの曲です。
それでは。
中島みゆき『銀の龍の背に乗って』
この曲は、日本のシンガー・ソングライター中島みゆきが、2003年にリリースした曲で、哀しさと勇気の感情が込められたポップバラードです。
ドラマ「Dr.コトーの診療所」の主題歌だったことでも有名な曲です。
曲調は、ポップの中にもシンフォニックの要素が入ったもの。
Aメロはとても儚げなのですが、Bメロから少し明るくなり、そしてサビでは一気にスケールが大きくなります。
まるで対比のように差がある展開の曲を、ここまで違和感無く作れるのは、凄い構成力だと思います。
歌詞のテーマは「非力」。
「銀の龍の背に乗って 届けに行こう命の砂漠へ」
「銀の龍の背に乗って 運んで行こう 雨雲の渦を」
銀の意味は2通りある模様。
1つめは、
「海の白波が太陽に照らされて輝く様子の“銀”」
そして2つめが、
「金になれない未熟で弱々しい、けれど一生懸命な“銀”」
力は弱いけど、それでも誰かの助けになりたい、という主人公の想いを表現したもののようです。
ドラマの主人公の心を表現したものなのか、中島みゆき自身の気持ちを表現したものなのかはわかりませんが、個人的には、この曲は曲以上に歌詞が好きです。
学校によっては、彼女の詞を教科書に載せている学校もあるように、作曲だけじゃなく作詞者としても素晴らしい才能を持った歌手ですよね。
弱さと壮大な愛が込められた曲を、是非聴いてみてください。
それでは。
B'z『Liar!Liar!』
今日はB'z『Liar!Liar!』を聴いた感想を。
この曲は、日本の音楽ユニットB'zが1997年にリリースした曲で、骨太のサウンドとダンスミュージックのようなノリの良さが特徴的なロックチューンです。
日本レコード協会から、トリプル・プラチナを授与された曲。
また、あのマーティ・フリードマンはこの曲を、J-POPに興味を持ったきっかけとしてあげています。
歌詞は、恋人や世間に対して、ユニークで投げやりな願望を持つ主人公の目線に立ったもの。
「完全な芝居で信じさせてよ」
「ウソなどないと思いこませてくれ」
すぐバレる嘘をついて、自分に裏切りの苦しみを与えるくらいなら、いっそ上手な嘘で自分を騙しぬいてほしい。
やや寂しげな歌詞ですが、言ってることはわかる、という人も多いかもしれません。
しかし
「愛する人がハッピーになりゃそれでいいや」
と最後に叫ぶ。
裏切られて自分は辛いけど、愛する人が幸せそうならそれでいい。
本当は諦め半分なのかもしれませんが、これが主人公の本心なのかもしれません。
不公平とも受け取れそうですが、だからこそ、こういう人が最後に報われる世の中になってほしい気がしますよね。笑
曲調は、メンバーいわく「原点回帰」。
このシンセの打ち込みサウンドは、確かにTMネットワークに感化されていた初期のB'zのようだと思います。
しかしそれだけじゃなく、重量感のあるリフに、タッピングなどテクニカルな要素が詰まったギターソロなど、現在ようなHR/HMの色も含まれています。
初期と現在のB'zが、綺麗に絡んだ名曲ではないでしょうか。
「これぞJ-ROCK」な曲を是非聴いてみてください。
それでは。