BUMP OF CHICKEN『プラネタリウム』
今日はBUMP OF CHICKEN『プラネタリウム』について。
この曲は、日本のロックバンドBUMP OF CHICKENが2005年にリリースしたポップロックです。
切なくも凛とした歌詞が光る曲。
「やめとけば良かった 当たり前だけど 本当に届いてしまった」
「この星は君じゃない 僕の夢 本当に届く訳無い光」
「でも 消えてくれない光」
プラネタリウムという、架空の星に手を触れる事の空しさを、恋人の気持ちを解ったつもりになる事ができても、本当に理解するのは難しい、という空虚感に例えた歌詞。
それでも「きっと理解できる筈(消えてくれない光)」という希望も捨てきれない。
そんな悲しくも強いメッセージが込められています。
ただ闇雲にネガティブを唱えるわけじゃなく、世間の人々が思っていてもなかなか口に出す機会はない、独特な日常系の歌詞を書くのが藤原基央(Vo)本当に上手い。
基本的にツアー終わりは家に引きこもってゲームと作曲を繰り返しているそうですが、その中での内省の積み重ねがこういう真に迫る歌詞を生み出せる秘訣なのかもしれませんね。
「吟遊詩人」の異名をとる藤原基央の真骨頂を感じられる詞です。
楽曲的にも秀作。
アナログシンセサイザーの導入など、古い楽器で新しさを表現した、挑戦心溢れる内容になっています。
過剰な激しさもなく、音数もまとまっていて清々しい。
変化の少ないボーカルのメロディラインは、まるでミドルテンポでのビートルズの「Let It Be」。
この純粋なメロディが、手の届かない存在への憧れる少年のような尊さを放つ歌詞になぞらえたものだとしたら、最高のバランス感覚だと思います。
この辺は作詞・作曲者が同一人物の作品の強みですよね。
素朴で濃密な楽曲を聴いてみてください。
それでは。