ヴァン・ヘイレン『Hot for Teacher』
今日はVan Halen『Hot for Teacher』について。
アルバム「1984」収録。
この曲は、アメリカのHR/HMバンドVan Halenが1984年に発表したハードロックです。
心地よい押せ押せ感がかっこいい曲。
大軍のような音が前のめりで迫ってきます。
粋なのがイントロにおけるアレックス・ヴァン・ヘイレン(Ds)のドラミング。
バイクのエンジン音のようなフレージングで、「これどうやってるんだろう」と思ってしまうほど完璧な再現度です。
そもそもこのテンポの速さで、しかも3連符でのツーバス使用、という時点で驚きなのですが、一瞬でリスナーの耳に残すこのフレージング面も着目すべき点だと思います。
ドラムが目立つ曲というと、一般にはデス、スラッシュメタルが連想されると思いますが、そのどちらでもないのにビートが映えているのが印象的。
独創的なクールさがあるドラミングです。
イントロでの、エディーの代名詞の激速タッピングが、この曲の「開幕」を告げます。
速いのに、音階自体はオーソドックスで耳に馴染みやすいのが良いです。
そこだけでもかっこいいのに、更にその後に続く単音のリフでのシャッフルが、作品のドライブ感を倍増させていきます。
このギターにしてもそうですが、曲調自体が一見おちゃらけているように見えて、かなりの技巧が使用されているんですよね。
PVなんて超がつくほどコミカルで、色っぽい女教師にメンバーが首ったけになったり、なせがマイケル・アンソニー(Ba) が相撲力士の姿になったり。笑
しかも相撲なのに、柔道の背負い投げをしようとし、その後ろには日本語ではなく韓国のハングル文字が使用されていたりと、あまり詳しく調べてないのが解る内容。笑
そんなPVのイメージもあってかファンからは愛を込めて「究極のおバカソング」と称される作品ですが、前述のツーバスドラム、高速タッピングやシャッフルなど世界的バンドらしいハイスキルも組み込まれて、不思議な威厳を感じられる構造になっています。
以前ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズがこの曲の事を「優れたブルースだね」と評していたように、力押しのようで細やかな技術による隠し味が本作の根幹ではないでしょうか。
たとえばストリートボーラーのような、テクニカルにおちょくる演奏を聴いてみてください。
それでは。