音の日

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宇多田ヒカル『Automatic』

今日は宇多田ヒカル『Automatic』について。


この曲は、日本のシンガー・ソングライター宇多田ヒカルが1998年にリリースしたポップバラードです。

ウッチャンナンチャンネプチューンが出演していた事でも知られるバラエティ番組「笑う犬の生活-YARANEVA!!-」のEDテーマだった事でも有名。


宇多田ヒカルを、一息にスターダムに押し上げた曲です。

当時まだ15歳だった事でも話題になりましたが、しかも自分で作詞作曲までこなして、それがデピュ1作目で大ヒットまでしたわけですから、もはや偉業の領域。

曲調的にはJ-POPをベースにしながらも、彼女の生まれ故郷でもあるアメリカのR&Bの要素を多分に織り込んだもの。

本作を聴いた元SMAPのメンバー稲垣吾郎が「ソウルが日本人じゃない」とコメントするほど。

母・藤圭子から受け継いだ日本的なデリケートなメロディセンスと、幼い頃を過ごした環境から受け継いだアメリカ的ノリが彼女の唯一無二の個性ではないでしょうか。


けれど、その曲に負けないくらい面白いのは歌詞。

「アクセスしてみると 映るcomputer screenの中」
「チカチカしてる文字 手をあててみると I feel so warm」

コンピューターの画面に手で触れた時の感覚を指して「とても温かい」。

普通、作詞家の世界では、好きな人の手を握った時の感覚などをそう表す事が多いと思いますが、パソコンに触った時の感想をそう表現する詞は珍しいのではないでしょうか。

井上陽水がインタビューでこのフレーズに関して、

「無機質なものに対して温かさを感じるという当時15歳の宇多田ヒカルの感性に驚いた」

と語っていますが、当時すでに彼女の詞人としての才能はベテランのプロアーティストを唸らせる次元にあったわけですね。

歌声自体も実の年齢に不釣り合いなほど艶っぽく品があり、色んな意味で大人の雰囲気を醸し出している曲です。


ダンサブルながら高級感のある曲を聴いてみてください。



それでは。