イン・フレイムス『Embody the Invisible』
今日はIn Frames『Embody the Invisible』を聴いた感想を。
アルバム「Colony」収録。
この曲は、スウェーデンのHR/HMバンドIn Framesが1999年に発表したメロディックデスメタルです。
「Stand Ablaze」と並ぶイン・フレイムスの代表曲。
「Stand Ablaze」が哀愁のある情感的な作風なのに対し、この『Embody the Invisible』は爽快感のある、80年代の硬派なヘヴィーメタルの成分が強い印象です。
ただし、メロディックデスメタルでありながらミドルテンポという点は共通。
イン・フレイムスと言えばデスメタル曲でも「速さ」をあえて抑える表現を多用する事でも有名なバンド。
その玄人好みの作風を往年のメタルファンから愛されてきた彼らですが、その渋味は本作でも健在です。
特に素晴らしいのがイェスパー・ストロムブラード(Gt)、ビョーン・イエロッテ(Gt)によるツインリード。
アイアン・メイデン、ジューダス・プリーストへの敬意を感じるギターメロディ。
テンポがあまり速くない分、隅々までメロディが詰め込まれ、美麗に旋律が動きまくっています。
このボップ色が強いキャッチーメロディをあえてデスメタルに織り込むコンセプトは、まるでこの同時期にメロデス界を席巻していたバンド、チルドレン・オブ・ボドム、アーチ・エネミーにバチバチに勝負を挑んでいるかのようです。笑
ただ、リードギターのメロディが澄んでいる、という点はイン・フレイムスのこれまでの作品と同じなのですが、本作はリフも凄い。
かなりトリッキーに和音を刻んでおり、「メタルは、リフがかっこ良いかどうか」という層にも響く、激熱なリズムでバックを支えています。
そのリフが、一曲の中に自己主張の激しいパートと、またひっそりと後ろを支えるパートの2段構造になっているところもポイントが高い。
「イン・フレイムスはこの辺りからリフがかっこ良くなった」と称えるファンが多いのも、この曲を聞けば解ると思います。
ソロ、リフ、ギターパートのどこを聴いても隙がないメタルです。
メロディを極めたメロデスを聴いてみてください。
それでは。