音の日

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アンスラックス『Gung-Ho』

今日はANTHRAX『Gung-Ho』について。


アルバム「Spreading the Disease」収録。(邦題:狂気のスラッシュ感染)


この曲は、アメリカのHR/HMバンドANTHRAXが1985年に発表したスラッシュメタルです。


アンスラックス全作品の中でも1、2を争う衝撃度の曲。

チャーリー・ベナンテ (Ds)が楽曲の大半でツーバス踏みっぱなしなのもありますが、曲が実際のテンポよりもかなりスピーディに聴こえます。

というのも本作のレコーディング、メトロノーム不使用。

その為パートごとに若干リズムが変わって、あるパートでは少し遅くなって、逆に盛り上がるパートでは速くなって、を繰り返していきます。

その緩急が聴き手の体感速度を上げているんですね。

そのリズムの緩急に加えて、サビでのコーラスのパワーが加わって、1度聴いただけで忘れらなくなる程の迫力とインパクトが発揮されていきます。

また速いだけじゃなく、ジョーイ・ベラドナ (Vo)の歌メロも、かなり整ったメロディ。

圧力が凄い曲ですが、どこかスッキリして聴こえるのは、この歌メロの要素が強い。

個人的にはこういう勢いの中にもメロディがあるメタルは好きです。


そして本作の真骨頂。

ラストの「悪ノリ」パート。笑

約3分30秒付近から始まるのですが、急に行進曲→祝祭時のBGMのようなメロディが始まり、更に「アアァッ」「ワアァッ」など雄叫びが鳴り響く、謎のノリが繰り広げられます。

途中まで割と王道のスラッシュメタルだったのに、何の前触れもなくいきなり遊び始め、そしてそのまま終わっていく。笑

リスナーを笑わせたかったんだと思いますが、やんちゃバンドで有名なアンスラックスらしい手法でもありますよね。

アンスラックスと言えばメタリカメガデス、スレイヤーと並ぶ、いわゆる「スラッシュメタル四天王」の一角。

ただ、こういう天真爛漫なパーティー気質は、他の3バンドにはあまり見られないアンスラックスならではの個性。

基本的にはスリリングに展開するスラッシュメタルに、あえてこういう遊びを入れる冒険心が、この曲が発表後30年以上経過しても未だに根強い人気を保っている要因ではないでしょうか。

身近感のあるHR/HM曲です。


心地よい明るさのあるスラッシュメタルを聴いてみてください。



それでは。