アーチ・エネミー『The Immortal』
今日はArch Enemy『The Immortal』について。
アルバム「Burning Bridges」収録。
この曲は、スウェーデンのHR/HMバンドArch Enemyが1999年に発表したメロディックデスメタルです。
ツインギターによるソロが凄まじい曲。
プレイはマイケル・アモット(Gt)(兄) とクリストファー・アモット(Gt)(弟)の実の兄弟による演奏です。
兄のマイケルは、マイケル・シェンカーにも例えられるほどの音色とメロディ重視の情緒豊かなプレイスタイル。
弟のクリストファーはイングヴェイと比較されるほどの、テクニカルな速弾きのプレイスタイル。
まるで熱い炎とクールな氷のコントラストのような世界観で、聴き手を一聴で惹き付けてくれます。
基本的にバンドにおいてツインギターとは、それぞれ意図的に別の音を弾いて音に厚みを持たせる為のものですが、ここまで違うタイプのギターが同じバンドに2人いるのは珍しい。
兄が王道HR系のエモーショナルなギタリストだとすれば、弟は緻密なネオクラ系スタイルでしょうか。
タイプの違うギタリストの演奏を組み合わせて、それでいて違和感を感じさせない楽曲構成力も含めて、とても見事な完成度。
轟音のような音数のリフも含めて、ギターが活躍するデスメタル。
繊細ですが切れ味も鋭い、上質な刃物のような作品です。
ヨハンの声もキレてます。
ただ荒々しい声を出すのではなく、この絶妙に苦しそうな声に味があります。
後任のボーカル、アンジェラ・ゴソウ(Vo)と比較するとやや目立たない印象を与えがちなシンガーですが、歌唱テクニック面ではそのアンジェラからも敬意を表されるほどのスキルを持っています。
ただ叫ぶのではなく、微妙に声色を使い分けて感情を表現する工夫は一聴の価値あり。
一般にデスメタルというと、テクニック追及のジャンルの音楽と思われがちですが、テクニックをあくまで想いを伝えるツールとして使う様はまさに「アーティスト」。
鮮やかさのある殺気を放つ曲です。
多くのデスメタルファンから「デスメタルを聴くきっかけになった」と語られる曲を聴いてみてください。
それでは。