音の日

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Gackt『 RETURNER 〜闇の終焉〜 』

今日はGacktRETURNER 〜闇の終焉〜』について。


この曲は、日本のシンガー・ソングライターGacktが2007年にリリースしたハードロックです。

アメリカで公開された映画「プレステージ」の日本版テーマソングとしても有名。


とても密度の高い曲。

4分そこそこの演奏時間の間に様々な表情が詰め込まれた、完成度の高いGackt式ロックです。

ジャンルで言えばハードロックよりだと思いますが、同じくハードなGackt作品「Lu:na」 「Jesus」ほどストレートではなく、彼得意のファルセットを多用した唱法などデリケートな表現が多い作風になっている所が特徴的。

この曲で好きなところは変則的なリズムとキャッチーな歌メロの対比。

前述の「Jesus」などは割とシンプルな高速リズムに覚えやすい歌メロを乗せる、といった構造ですが、この『RETURNER』のリズムはドラムもリフも変化的。

ソロデビューしてからは比較的ストレートな曲調の作品を作る事が増えた印象でしたが、作ろうと思えばこういう細やかなリズムの曲も作れるところは流石です。

そしてメロディー。

全体的に影のあるロック、といった感じの曲ですがその中でも、しっかりメロディーは流れていて、あくまで旋律で魅せる、という作品の本質が現れていると思います。

「どんなテーマの音楽を作る場合でも、僕が美しいメロディーにこだわることは絶対的に変わらない」

と以前インタビューで話していたようにヘヴィな曲でもGacktの軸はぶれません。

また、リリース時に話題になりましたが、本作では尺八も導入。

海外ロックのような曲調にあえてこの楽器の音を絡ませるところがユニークですが、それが意外な事にGacktの声とマッチ。

かなり高い音域での演奏なのですが、それが本作で多用されるGacktのファルセットと共にダブルの透明感を発揮しています。

まるで主旋律が2つあるような演奏は、さながらツインボーカル

歌詞の内容が「戦場に向かった恋人を待ち続ける女性の心境」を綴った内容ですが、その高い音域が恋人が戻らない事実に慟哭する女性の悲痛さを表しているようで、とてもセンチメンタル。

叫ぶような声、音質じゃなく透き通った音色であるところが逆に刺さる。

クオリティ、音作りなど表現に必要なものが綺麗に揃った曲だと思います。

派手ではありますが、不思議な静けさもある曲です。

ソロデビュー後、はじめてオリコンチャートで1位を獲得した曲を聴いてみてください。



それでは。