音の日

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マルーン5『This Love』

今日はMaroon 5『This Love』について。


アルバム「Songs About Jane」収録。

この曲は、アメリカのロックバンドMaroon 5が2002年に発表したポップバラードです。


第48回グラミー賞「最優秀ポップ・パフォーマンス賞デュオ/グループ」を受賞曲。

とても粋なバラード。

あまり抑揚のある劇的な展開などは無いのですが、エレガントなノリの良さがあって、軽快なのに嫌味の無いクールさを演出しています。

バラード曲にもR&Bのリズムをほどよく織り込む上手さは、アメリカバンドならではのセンスですよね。

一見するとストレートな曲調で、たとえばギターはディレイをかけたカッティング、ベースとユニゾンさせた単音弾きぐらいが特徴なのですが、その組み合わせの配合がとても絶妙。

決して派手な曲ではないのに、聴き終えてもしばらく耳の中でリフレインされ続けるほどのインパクトを放ちます。

「ザ・洋楽」感が楽しめる曲です。

歌詞も専門誌での評価が高く、実はアダム・レヴィーン(Vo.Gt)のプライベートでの実体験の恋愛を綴った内容。

「彼女の心が泣いている 僕の目の前で」
「どうしようもないんだよ だって僕はさよならを言いたくないんだ」

フルで読むと、アダムの方は真剣に彼女を愛していたようですが、彼女の方はそれほどでもない、下手をすれば遊ばれていただけかもしれない、という事が伝わってくる、少し切ない内容。笑

「感情的にはかなり試された機会だったよ。二人の関係は終わってしまったけど、一方でも僕は本当に興奮していて。」

「彼女は僕がThisLoveの歌詞を書いている何日かのうちに街を去ってしまって、だから僕は二つの感情に葛藤しながら曲を書いていたんだ。」

とは作詞者のアダムのコメントですが、真剣に愛していた相手から、半ば一方的に置き去りにされる、というのは、それ自体はおそらく世間ではありふれた失恋エピソード。

逆に言えばそんなありふれた話を、批評家から評価されるほどの詞に昇華できるという、アダムの作詞家としての才覚を見せつけた作品でもあります。

さながら、シンプルな食材から最高の美食を生み出す、一流シェフのよう。

曲、歌詞ともにコンパクトなようで、必要なものは揃っているピュアな作品ではないでしょうか。


トップ40チャートの歴史の中で唯一、グループで一位のシングル(9枚)の記録を打ち立て、更にはこれまで3つのグラミー賞を受賞したバンド。

そのバンドの世界的ヒットのきっかけになった曲を聴いてみてください。



それでは。