音の日

好きな音楽、その他趣味のこと

ニルヴァーナ『In Bloom』

今日はNirvana『In Bloom』を聴いた感想を。


アルバム「Nevermind」収録中。

この曲は、アメリカのロックバンドがNirvana1991年に発表したグランジです。


色んな意味でとてもへヴィな曲。

アルバム中では、ニルヴァーナの代表曲「Smells Like Teen Spirit」の直後に流れてくる曲ですが、歌詞がとても意味深。

「彼は僕らが作る可愛らしい歌の全てが好きだ」
「それでいて一緒に歌うのも好きな人だ」
「そして銃を撃つのも好きな人だ」

「けど歌詞の意味は解っていない」
「解っていないんだ」

作詞者はカート・コバーン(Vo)。

難しい詞の為かファンの間でも読み手によって解釈よく変わる詞のようですが、通説では「ニルヴァーナの作る作品の、上辺だけを聴いてファンを名乗る人達を批判した」歌詞。

「子供ができたら、売ってその金で食べ物を買おう」

というフレーズも、「生活費に為には、そんなファンの為に作りたくも無いキャッチーな曲も作らなきゃならない」という気持ちの表現でしょうか。

自殺した際も遺書に

「いい人生だったよ。本当にいい人生だった。ただ、僕は7歳の頃(カートの両親が離婚した歳)から人間全般に憎しみを抱くようになっていた。たぶん、単純に僕は人が愛しすぎて、人の気持ちに共感し過ぎるからなんだろう。」

「平和と愛、共感を。」

と書くように、一見変わり者に見えて、実際には自分の周りの人に独特な強い愛情を持つ彼。

そのカートからすれば、口では「ニルヴァーナの曲が好き」と言いながら、一方では他人に銃を向けたり暴力を振るう一部の心無い人達が、自分たちのファンを名乗るのは許せなかったのかもしれません。

長く共に過ごしたスタッフからも「彼は周囲にいたほとんどの人達に優しさを向けていた」と語られる彼ですが、そのカートのファンに対する感情は、長く自分を支えてくれる事への感謝の気持ちと、それとは別に一種の空しさが混在していたのでしょうか。


その心情を反映してか、楽曲もメロディもズシッとした重さを持っています。

歌メロはキャッチーなのですが、どこか気だるさが漂っているんですよね。

展開がユニークでイントロはややハードロック調なのに、その後の流れはグランジ+ポップス。

HR/HM界ではハロウィンやアイアン・メイデンが「しっとりしたイントロ→一気に疾走ロック」な曲を作るのに対し、ニルヴァーナは逆に「動→静」。

かっこいいひねくれ感を持つ曲でもあります。

演奏開始から約3分後の、「どういうインスピレーションで作ったんだろう」というほどミステリアスなギターソロは本作の隠れハイライト。

灰色の美しさを持つ曲です。


彼らの曲としてはポップ。
なのに「ニルヴァーナ」してる作品を聴いてみてください。



それでは。