音の日

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ソナタ・アークティカ『Blank File』

今日はSonata Arctica『Blank File』を聴いた感想を。


アルバム「Ecliptica」(エクリプティカ)収録。

この曲はフィンランドHR/HMバンドSonata Arcticaが1999年に発表したパワーメタルです。


まるで何かと戦っているような曲。

SF大作映画のような重厚なメロディの塊が、パンキッシュな超速リフにのり進行していきます。

始まりがドラムから、というのがユニーク。

日本でもXjapanの「Sadistic Desire」など何曲か前例はあるのですが、 メロスピ界全体から見ると少し珍しい構成ではないでしょうか。

ソナタはライブでもXの「Silent Jealousy」をカバーしていて、トニー・カッコ(Vo.Key)は来日した時プライベートでカラオケで歌ったりしているんですよね。

上級メロスピバンド同士で何処かしらセンスが近い所があるのかもしれません。


この曲の聴きどころは間奏部での、トニーとヤニ・リーマタイネン(Gt)のバトル。

両者ともに狂ったようなレベルでの音数&スピードで、きらびやかな圧倒的エネルギーを放出していきます。

普通ここまで速いと、メロディというより勢いで押し切るようなスタンスの曲調になりがちですが、そこはさすがソナタ

あくまで「メロディック」スピードメタルバンドなんだという事を感じさせてくれくれる、流麗で猛火のようなハイクラスなソロになっています。

ソナタの曲全般に言える事でしょうが、リズムの速さには熱を感じるのに、旋律はひんやりとしているんですよね。

ひんやりと言っても冷めている、という意味ではなくて、目を瞑って聴くと広大な雪景色が浮かぶようなメロディで、壮大で清涼感がある作曲が彼ら特有の美しい個性。


このヤニはこの数年後、母国フィンランドで国民に義務付けられている懲役制度に参加する為、一時バンドを脱退してしまいます。

おそらく数年後にはソナタに戻ってくる予定だったと思われますが、しかしなんと懲役期限を終える前に、脱走。そして捕まってしまいます。

脱走という、一応は国の規則を犯す行為をしてしまったメンバーをバンドに戻す事はできず、結局ヤニはソナタとは物別れになってしまいました。

今では違うバンドでアルバムをリリースしたり、更に違うバンドにセッション・ギタリストとして参加したり、多様な活動を行っている模様。

いつの日かソナタに戻ってきて、現ギタリストのエリアス・ヴィルヤネンとツインギターバンドとして、更に壮大なプレイを聴かせてくれると良いなぁ、と思います。

惜しい人材を失くしたという事が実感できるプレイです。


激熱のリズムと冷たいメロディのギャップを楽しんでください。



それでは。