音の日

好きな音楽、その他趣味のこと

クイーン『Killer Queen』

今日はQueen『Killer Queen』について。


アルバム「Sheer Heart Attack」収録。

この曲は、イギリスのロックバンドQueenが1974年に発表したプログレッシブ・ロックです。


とても優美な曲。

ポップロックなのかバラードなのかプログレッシブなのか、あるいはその全てなのか。

全体的にイギリス的上品さを感じられて、ロックバンドが出した音とは思えないほどの癒しのフィーリングが漂っています。


本作の好きなところはコンパクト感。

3分そこそこの短い曲なのですが、軽快なピアノ。合間に入るコーラスが入り混じる、多彩な曲展開。

演奏時間が短いぶん、その中でリスナーがいかに何度も楽しめるかを試行錯誤した上で生み出したような構成です。

出だしの指パッチンの音はまるでシンフォニック・ダンスのようで、今から上質なダンスが始まりそうなムードを漂わせます。

その上質感と、歌詞が高級娼婦をテーマにしたものである事とのギャップも本作の味です。笑

フレディ・マーキュリー(Vo)のしとやかな、ファルセットを多用した歌声をリスナーに魅せた後は、Queen名物、ブライアン・メイ(Gt)のギターソロ。

キャッチーではあるのですが、やっている事はかなりテクニカルで、ふんわりした曲調の中にもブライアンの威厳を感じる事ができるプレイになっています。

「この曲は、完璧なポップソングであり、フレディが書いた偉大な曲の一つに数えられるだろう。そして僕も、あのようなギターソロを弾けたことを光栄に思いっているんだ。」
by ブライアン

自他ともに認める、美しいだけじゃない一種のスケールの大きささえ感じさせてくれるソロです。


ソロに限らず歌メロにも言える事ですが、全体的にメロディが緻密。

普段、音楽を聞き慣れているリスナーでも、少し聴いただけでは把握しきれないくらいに難解な旋律です。

一般的に音楽というものは、覚えやすくて馴染みやすいメロディの方が一般大衆には受け入れられやすいものですが、本作はそれと真逆を行くような内容。

もちろん無駄が無くストレートなメロディで聴かせてくれる作品の良さもありますが、こういう「覚えるのに時間がかかり、だからこそ飽きにくい」曲の凄さもあると思います。

クイーンの曲はこの曲に限らずメロディが複雑な曲は多いのですが、彼らの曲が長く愛されるのは、この良い意味での「覚えにくさ」も理由の1つかもしれません。

クイーンの同じく複雑な曲に「BOHEMIAN RHAPSODY」がありますが、それより演奏時間が短い為、気軽に「抑揚」感を味わえるのもこの曲の美点。

密度の濃さで勝負する作品です。


短時間でドラマ性を楽しめる曲を聴いてみてください。



それでは。