パンテラ『Cowboys from Hell』
今日はPantera『Cowboys from Hell』について。
アルバムを「Cowboys from Hell」収録、
この曲は、アメリカのHR/HMバンドPanteraが1990年に発表したスラッシュメタルです。
ダイムバッグ・ダレル(Gt)の奏でるリフがクールな曲。
リフメイクもダンサブルでかっいいのですが、そもそもサウンドが激重で、一聴しただけでもダレルのそれだと解るエネルギー量を誇っています。
レギュラーチューニングでこの重さを出せるプレイヤーは、メタル界でも貴重。
しかもツインギターが多いHR/HM界ではやや珍しく、ダレルは基本的に一人ギター。
2人ギターでリフの音を重ねたりはしないのですが、にも関わらず並のツインギターバンドを凌ぐ厚さ。
更にライブにおいては更に重さを増す、という。
真空管アンプ使用が通例のロック界でソリッドステートを使用していたり、音へのこだわりが非常に強いギタリストではありますが、その意識の高さがこの凶暴&丁寧なサウンドを生み出しているのでしょうね。
ギターソロ後のレックス・ブラウン(Ba)とのコンビネーションは至高。
いわゆる「キメ」のシーンですが、リフでリスナーの気分を盛り上げ、ソロで更に盛り上げ、そして後半ではユニゾンでトドメを刺す。
豊かな音色が、劇的な構成にのって迫ってくる様は圧巻です。
そしてフィル・アンセルモ(Vo)のハイトーンシャウトも凄い。
デビュー当時のあまりに激しい発声の為か、後に少し声が枯れがちになってしまい、今ではキーの高さよりも濃密な中音域を武器にしたボーカリストなのですが、だからこそ若い頃の力強いハイトーンも「ならでは」の感覚で聴く事ができます。
「僕は“歌える”という贈り物をもらって生まれてきたと思ってる。初期のパンテラでは、いつも歌うことが出来たよ」
フィルの言う「歌える」の意味の解釈は難しいですが、メジャー最初のアルバム収録曲の本作は、「いつも歌えていた」頃のフィルの歌声が聴ける曲。
シンガーとしては駆け出しだったフィルの、何かを感じられる声です。
後のモダンへヴィネス・ブームの走りと呼ばれる曲を聴いてみてください。