山下達郎『SPARKLE』
今日は山下達郎が『SPARKLE』について。
アルバム「FOR YOU」収録。
この曲は、日本のシンガー・ソングライター山下達郎が1982年に発表したポップロックです。
バック演奏が際立つ曲。
この曲の華はなんと言っても、いわずとしれた山下達郎のカッティング。
若い時から大好きなソウルミュージックにルーツを持つとされる山下達郎のリフセンスが輝いています。
元々山下達郎自身が、とあるフェンダー・テレキャスターのギターを手に入れたら、それをあまりにも気に入り過ぎて、「このギターを活かした曲を作りたい」という想いの下に作った曲。
以降、山下達郎のほぼ全てのレコーディングに使用される程愛用されるギターなのですが、その澄み渡りながらも品のある音色が、山下達郎のスムーズなピッキングと相まって、唯一無二と言える透明感を演出しています。
「ギタリストは音色が9割」と言う人がいますが、やっぱり基本のトーンが美しいギタリストは本当に素晴らしい。
1音だけで楽曲の世界を表現したような深いサウンドです。
隠し味は、国内でも名手として知られるベーシスト伊藤広規と、今は亡き日本屈指の名ドラマー青山純というリズム・セクション。
サウンドは軽やかなのに、音の輪郭がクッキリハッキリととしていて、良い意味でリズム隊らしからぬ存在感を発揮しています。
歌詞、メロディともにハイクオリティですが、元が楽器ありきで生み出された作品だけあって、全体的にトーンが清々しい。
歌と言うと、詞や旋律がいかに良いかに焦点が集まりやすいですが、本作は「音」そのものの美しさが優先されたイメージ。
音楽の楽しみ方は、本当に多様なのだという事を思い出させてくれる楽曲です。
珍しい、詞先、曲先ならぬ「楽器先」の曲を聴いてみてください。
それでは。