音の日

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スレイヤー『NECROPHOBIC』

今日はSlayer「NECROPHOBIC」について。


アルバム「Reign in Blood」収録。

この曲は、アメリカのHR/HMバンドSlayerが1986年に発表したスラッシュメタルです。


BPM240超。

スレイヤー最速の曲。

「NECROPHOBIC(死体恐怖症)」のタイトルが示す通り、スラッシュの極地というべきスリリングな雰囲気で聴き手にプレッシャーを与えていきます。

デイヴ・ロンバード(Ds) のドラムが凄い。

スピードもさることながら、音が非常に太いです。

「速いドラミングは、その分音圧が軽くなってしまう」というのがドラムの一般原則ですが、その定説を嘲笑うようなショット。

デイヴの超人ぶりを堪能できるプレイです。


そして本作の心臓部はリフ。

ただでさえ並のデスメタルを凌ぐスピードなのに、これをオルタテネイトビッキングで演奏。

後に後世のデスメタルに多大な影響を与えたプレイですが、勢いだけじゃなく、熟成されたテクニックを感じられるところが良い。

彼らが生み出したスラッシュ界の至宝「Angel of Death」で見られたような、急なテンポダウン、その後は逆にスピードアップという緩急のついた展開が、そのリフの疾走感を倍増させてくれています。

そのあまりのスピードぶりからか、演奏時間がたったの1分40秒という、演奏の速さも終わりの早さも疾風のような曲ですが、その短さが、この音の量でもクドさ感じさせない秘訣。

この音の数、速さで長時間の演奏されたら聴き手の耳が疲れてしまうかもしれません。笑

作曲者のケリー・キング(Gt)とジェフ・ハイネマン(Gt)がそこまで計算して作ったのかは解りませんが、「殺気と聴きやすさが共存」という、面白い個性を持ったスラッシュです。


凶暴さが売りと見せかけて、精密に作り込まれたハイクラスの楽曲を聴いてみてください。



それでは。