DREAMS COME TRUE「何度でも」
今日はDREAMS COME TRUE「何度でも」について。
この曲は、日本のバンドDREAMS COME TRUEが2005年にリリースしたポップバラードです。
江口洋介 松嶋菜々子が出演した事でも知られるドラマ「救命病棟24時(第3シリーズ)」の主題歌だった事でも有名。
ドリカムの曲の中でも、歌詞の力強さが際立つ曲。
「この先も躓いて傷ついて傷つけて 終わりのないやり場のない怒りさえ もどかしく抱きながら」
「どうしてわからないんだ? 伝わらないんだ? 喘ぎ嘆きながら 自分と戦ってみるよ」
「10000回だめで 望みなくなっても 10001回目は 来る」
世の全ての不条理を無条件に肯定するわけではなく、人から傷つけられるし、傷つけるし、消化しきれない怒りも内心では感じている。
それでも投げ出さなければ、きっといつかは壁を乗り越えていく。
ただ闇雲に前向きな言葉を羅列されるより、こういう「辛い事は沢山あるけど、それでも戦ってみるよ」という歌詞の方が読み手の心の奥に染み渡りますよね。
ある鬱病に悩んでいた人が、ドリカムのこの曲を聴いて癒され、この曲のファンになった、というエピソードがあるように、今まさに上手くいかない事にぶち当たっている人に響く詞ではないでしょうか。
ファンの間で「「がんばれ」という言葉が使われていない応援歌」とも評される歌。
個人的には、吉田美和(Vo)が浅田真央をイメージして書いたといわれるNEWS ZEROのEDテーマ「AGAIN」に匹敵するエネルギーも持つ曲です。
楽曲的にもとても精悍。
この曲は世間的にバラード曲のイメージが強いですが、実は結構アップテンポなんですよね。
入りはしっとりしているのですが、サビメロなどはラップに近いパートすらあり、軽快な要素も強い。
なのに本作がバラードの体を成しているのは、それだけ基本的なメロディが甘美だから。
『何度でも』に限らず「うれしい!たのしい!大好き!」、「その日は必ず来る」もそうですが、ドリカムの作品はどれも、どんなにノリが良くても、旋律に叙情性が含まれているところが魅力的です。
イントロはもの悲しいのに、そこからじわじわとポジティブになっていく曲展開も相まって、まるで曲そのものが1つのドラマになっているよう。
「うたばん」でのファンによる人気投票での1位獲得曲ですが、一般リスナー、ドリカムファン、聴き手を選ばず心を揺さぶる、奥行きの広さをかんじさせる作品です。
苦味も甘さも含まれた明るさのある曲を聴いてみてください。
それでは。