音の日

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ドッケン『In My Dreams』

今日はDokken『In My Dreams』について。


アルバム「Under Lock and Key」収録。

この曲は、アメリカのHR/HMバンドDokkenが1985年に発表したハードロックです。


コンパクトながら高密度な曲。

非常にメロディックで、アップテンポな疾走曲が取り沙汰されがちなドッケンの作品達の中で、毛色の違う輝きをはなっています。

ドン・ドッケン(Vo)の歌声が、強く伸びやか。

サビでは厚いコーラスが混ざるのですが、そのコーラスの中でも埋もれない、明瞭な存在感を発揮。

後に鼻腔の病気の悪化で、声量と音域にかげりが出てしまいますが、この音源での、最盛期のドンの歌声は本当に艶やか。

現在は、張りの衰えた声色を逆に利用して、中音域でのニヒルな渋みを重視した歌い方にシフトしたようですが、こういう重量感のある作品ではやはり若い時の声の方が相性が良い気がします。

彼の「HR/HMシンガー」感を楽しめる作品です。


そして本作を影から支えるのが細やかなギターテクニック。

リフも正確でタイトなのですが、ジョージ・リンチ(Gt)のギターソロは、キャッチーな歌サビと対をなす、豊潤な美しさを持つメロディです。

タッチング・ハーモニクスの入りから、抑揚の効いたフレージングに進む流れは、ギターだけでも濃密なドラマ性を演出。

ファンから「ギターが生き物のよう」と評されるジョージのプレイですが、それに相応しい劇的な演奏だと思います。


そしてソロパートのメインが、このトリル。

12フレットから20フレットまで駆使したワイドストレッチによるプレイなのですが、それでこの緻密は凄まじい。

単なる速弾きとは一味違う技術が使用されていて、テクニカルの中にもジョージの持ち味が溢れているところがニクいですよね。

ジョージとドンは、よくケンカする事で話題になる2人ですが、その2人のプレイがこれだけ光る作品の中でも、内心はバチバチに火花を散らしていたのかと思うと、少しユニーク。笑

色んな意味で熱く、そしてクールな技巧が楽しめる曲です。

情感的な歌。そしてストレートなようで、小技が効いている構成の楽曲を聴いてみてください。



それでは。